Jリーグ ガンバ大阪

優勝候補セレッソと降格圏ガンバ。対照的な両者が挑む大阪ダービー

ガンバ

うなだれるガンバ大阪の選手たち 写真提供:Getty Images

 

大阪ダービーでキッカケを掴みたいガンバ大阪

 セレッソが3位に順位を上げる中、ガンバは最下位から脱出する最大のチャンスを逃した。レビー・クルピ監督率いるチームは、ジュビロ磐田相手にJ1初勝利を収め、さらにルヴァンカップでも4-1で勝利した。すべてのサポーターたちがV・ファーレン長崎相手に、アウェイながら勝利を収めることを期待していた。なんと言っても、相手はJ1デビューチームで降格候補、個人の能力もガンバの選手たちの方が優れているのだから。

 えこひいきはピッチ上では実体化しなかった。そして、もしも降格候補がピッチ上にいたとすれば、それはガンバの方だった。運動量に乏しく、チームプレーは精彩を欠き、個人個人のミスが相次いだ。V・ファーレンが3得点差をつけて勝利したのは、2017年5月3日にファジアーノ岡山相手に3-0で勝利して以来のことだった。最終スコアが4-0にならなかったのは、スペイン人フォワードのファンマが簡単な至近距離からのシュートを、ポストに当ててチャンスを逸したからだ。

 2連勝を飾り、現在13位に位置する長崎にとっては、歴史的な快挙となった。ガンバは未だに最下位に沈んでおり、最多失点(15失点)を記録し勝ち点はたったの4しか獲得できていない。彼らがJ2に降格した2012年シーズンでも、開幕から8節終了時点では勝ち点7を獲得していた。大阪ダービーはこの状況を変えるカンフル剤となるか。それともセレッソが握る大阪の覇権を、確固たるものにする試合になるのか。

著者:チアゴ・ボンテンポ

1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。

Twitter: @GunnerTNB

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