プレミアリーグ アーセナル

ジェイ・ボスロイド独占コラム。古巣アーセナルを一刀両断

 私の家族はアーセナルファンで、私は11歳の時に彼らの下部組織に入った。母の家はスタジアムから徒歩10~15分のところにあって、現在のクラブの状況にはみんな頭に来ている。サッカー選手として中立な立場で見てもアーセナルが強さを失ってしまったのは悲しいし、ファンとしてはなおさらだ。

 U-18のチームに所属していた時は定期的にトップチームと練習していたし、アーセナルを離れた後にはアーセン・ベンゲル監督本人から電話があった。彼は初めからまったく変わっていない。物静かで感じがよく、言葉遣いが穏やかで怒りを爆発させることはない。私が在籍していた頃から、オールド・トラッフォードで1-6で負けた時以外は彼が怒り狂うのを見た人間はいないよ。

 今ほどのプレッシャーを受けたことはないだろうし、ベンゲルの時代はもう終わりだろう。彼は大柄だけどドリブルとシュートの技術がある私のプレースタイルの確立に大きな役割を果たした人だから、正直に言って悲しいね。私は似た体格の選手の多くのような、典型的なポストプレーヤーではないし、それは彼のおかげ。だから彼が現在置かれている状況は残念だ。しかし全ての物語には終わりがある。ファンは飽き飽きしているし、今後回復するシナリオは見えないので、ベンゲルは辞めるべき時が来たと思う。

 物事は時にマンネリ化してしまう。アーセナルでは誰もがベンゲルを尊敬しているが、何年も言っているように多くの選手はぬるま湯につかっている。大した成果もなしに、新しい契約が用意される。ライバルチームに重要な選手を売ってしまうのも問題だが、要するにアーセナルとベンゲルは時代に取り残されてしまったんだ。私ならエリクセンの代わりにエジルを使うことはないし、ムヒタリアンもデレ・アリ、サンチェス、ポグバ、マーシャル、デ・ブライネには及ばない。アーセナルの失墜は恥ずかしい限りだよ。

 プレミアリーグでは金を使わないといけない。エバートンはアーセナルより大金を使っている。去年の夏に彼らは1億4000万ポンド(約206億円)を選手獲得に費やした。アーセナルはオーバメヤンとムヒタリアンを買っても、まだエバートンの額に及んでいない。この事実から、リーグの傾向が分かるだろう。

Previous
ページ 1 / 3