アジア Jリーグ

【対談】札幌ジェイ×チェーザレが今季を振り返る。”悪童”の評価を覆す、チーム随一の貢献度

ジェイ・ボスロイド×チェーザレ・ポリンギ

 イタリア人サッカージャーナリストであるチェーザレ・ポレンギ氏と北海道コンサドーレ札幌に所属するジェイ・ボスロイド氏の対談をお届けする。

チェーザレ・ポレンギ
1968年イタリア・ミラノ生まれ。1994年、来日。2010年よりプロ・スポーツジャーナリストとして活躍。アジア各国の大手サッカー雑誌に数多くの記事を寄稿。200以上のサッカー番組に出演。2014年よりJリーグ公式のマッチレビュー及び、ハイライト番組の英語コメンテーターを務める。Jリーグ、Sリーグ(シンガポールサッカーリグ)、東アジアサッカー連盟を始めとした多くのクラブと直接に関わり、仕事を行なっている。
Twitter: @CesarePolenghi

ジェイ・ボスロイド
ロンドン北部イズリントン出身。元イングランド代表。アーセナル下部組織出身で2000年にコベントリー・シティでプロキャリアをスタートさせた。ペルージャ、カーディフ、QPRらで活躍し、2015年にジュビロ磐田に完全移籍。J2リーグ得点王に輝き同クラブのJ1復帰へ大きく貢献した。2017年7月1日より北海道コンサドーレ札幌でプレーしている。

―――――――

チェーザレ・ポレンギ(以下:CP):最近、君は札幌にあるお気に入りのイタリアンレストランで、フルコースディナーを振舞われたと聞いたけど…。もう何世紀も前に古代オリンピックの勝者たちがギリシャでそういうおもてなしを受けていたんだよ。知ってた?君はそんなことに値するような何をしたの?(笑)

ジェイ・ボスロイド(以下:JB):そうなんだよ(笑)。僕たち北海道コンサドーレ札幌は、史上16年ぶり2度目のJ1残留を成し遂げた。正直に言うと、僕はスムーズに達成したと思っているのだけど。最終結果は11位!札幌のみんなはすごく喜んで、ダルセーニョ(イタリアンレストラン)の人たちが僕にご馳走してくれたんだ。すごく良かったよ。

CP:今シーズン後半に札幌で大きく変わったことの1つが、君が来たことだよね。そして君が得点マシンとして活躍した事実。しかもJリーグ史でもおそらく最高のゴール”分速”得点率(14試合で10ゴール)で。ゴール以外では他に何が変わったと思う?君はクラブのメンタリティの改善にも貢献してきたの?

JB:チームメイト全員と話をして、僕ができる全てのことはしたよ。考え方を変える必要があると僕は主張した。そうだ、「SURVIVE(生き残れ)」と書いた巨大な横断幕を見たのを思い出す。悪いけど、僕は本当にその言葉が好きじゃない。人生はそんな風じゃないよ。もっと積極的な考え方をしなきゃ。可能な限り良い順位で終えることができると信じることだ。

一旦チームがそう信じはじめて考え方を変えたら、浦和レッズ、柏レイソル、FC東京、ガンバ大阪のような高いレベルのチームにも勝つことができた。結果がついてきて、流れが変わったね。チームメイトにこれを理解させるのは、経験の豊富なプレーヤーとして僕の役割だったんだ。特に若い選手や、J1経験の無い選手に向けてね。もちろん僕だけじゃないよ、でも僕ができることは全てやった。僕たちが目指すべきことについて、常にオープンに正直に話をしたよ。

Previous
ページ 1 / 7