ベルリンは多くのもので有名だ。そのうちのひとつに、突然深遠な雰囲気を醸し出す煙たく、混み合ったバーでの深夜の会話がある。そして先週、パイントグラスが私たちの胸に激しくぶつかり合い、フレドリック・ユングベリの素晴らしさについての話に花を咲かせた。私たちの地元のクラブであるSFCフリードリヒスハイン・インテルナツィオナーレが7-1で試合に勝利して、2位に勝ち点6差をつけた日の後にスウェーデン人MFの話にたどり着いたこと以外、どのように彼が会話をスタートさせたのかよく覚えていないのだ。ユングベリはオフザボールの動きのスペシャリストであり、私たちのFWがおそらく簡単に達成した標準だ。誰が知っているだろうか。ベルリンの夜のように夜が消えてから久しく、幸せであたたかな霧に包まれている。私が確実に知っていることは、ズラタン・イブラヒモビッチを除いて、スウェーデン人はサッカー界で一般的に、奇妙にも過小評価されていることだ。(世界がズラタンに注目するために、彼自身が広告塔にならなければいけなかったことを、忘れないようにしよう)。ヘンリク・ラーションは彼にふさわしい信頼を得るには至っていないし、ユングベリもしかりだ。
ユングベリはワールドクラスの選手だったが、彼はひとつの強みでそこまで登り詰めた。ファイナルサードでのランニングだ。「動き」は学べるものだ。しかし最高のサッカー選手は「動き」に対する本能を持っている。それはまるでシェフが、どれくらいの量のハーブをソースに混ぜればいいか知っているように。もしくはゴルファーが、どれくらいの力をアイアンに伝えればいいか知っているように。そしてその本能に導かれた「動き」がなされた時、ユングベリはペナルティエリアのマスターであり、カウンターアタックの鑑定士だった。
最初のころは、このことはあまり知られていなかった。アーセナルに加入した当初、最初はその独特のヘアスタイルで注目を集めた。スウェーデン人は他の選手より目立っていた訳ではなかった。彼は卓越した労働倫理を持っていたが、プレミアリーグのウィンガーにとっては当たり前のことだった。もしも彼が本当にウィンガーなのであればだが(私は疑いを持っているのだが、それを打ち明けよう。彼はタッチライン際でふらついているセカンドストライカーなのではないだろうか。宝石泥棒が迫りくる時を道端で待っているように。)。彼のアーセナルでの最初の2シーズンはとるに足らないものだった。5試合に1得点以下の確率でしか得点を決められなかったのだ。しかし2001/02シーズンに彼は爆発する。
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