
フェイエノールト所属の日本代表FW上田綺世には、MF三笘薫擁するブライトン、MF田中碧擁するリーズ・ユナイテッドなど複数クラブからの関心が報じられている。一部ではエバートンでFW前田大然(セルティック)やFW中村敬斗(スタッド・ランス)とチームメイトになる可能性も取りざたされているが、フェイエノールトの収入は移籍金額を大きく下回るという。
オランダメディア『1908.nl』は7日、上田を巡る移籍市場の熱狂とは裏腹に、フェイエノールトの懐に入る金額は「見た目の移籍金の半分程度」にとどまるとの試算を伝えた。移籍金2500万ユーロ(約40億円)の場合、実際にクラブの利益となるのは1450万ユーロ(約23億円)にすぎないというのだ。
なぜこれほどの目減りが起きるのか。同メディアが示したシミュレーションによれば、からくりは3つの控除にある。
まずは連帯貢献金だ。国際移籍のルール上、移籍金の5%にあたる125万ユーロは自動的に鹿島アントラーズなど他クラブや育成組織、高校などへ分配される。次に代理人手数料。契約内容によって変動するが、7%の175万ユーロが想定され、これも移籍金から消える。
そして最大の要因が、前所属クラブであるベルギー1部サークル・ブルッヘとの契約だ。上田獲得時、フェイエノールトはブルッヘに対し「将来の売却益の20%」を支払う特殊条項を結んでいたとみられている。売却額2500万ユーロから取得費1000万ユーロを差し引いた利益1500万ユーロのうち、実に300万ユーロがブルッヘへ流出する計算となる。ここに上田の簿価450万ユーロを差し引くと、フェイエノールトに残るのは1450万ユーロだという。
くわえて、退団ボーナスの有無や、契約に付随する非公開条項によって、最終的な利益はさらに減る可能性がある。また2026年時点では、70万ユーロを超える退団補償には75%という課税が課される規定もある。上田にその条項が存在するかは不明だが、含まれていればフェイエノールトの利益はさらに削られることになる。
財務的な現実だけを見れば、今夏の売却は理にかなっているとの見方もできる。上田は8月末で28歳。ストライカーとして市場価値が最も高い年齢を過ぎれば、これほどの移籍金は二度と望めなくなる。
一方、上田にとっては、キャリアを賭けたビッグリーグ挑戦の好機であることに疑いはない。プレミアリーグ移籍で日本代表のチームメイトと共演も見えてくる。FIFAワールドカップ北中米大会での活躍ぶりを踏まえれば、複数クラブが争奪戦を繰り広げるのも当然だ。
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