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エジソン流の天才?新記録達成トッテナムFWハリー・ケイン

トッテナム・ホットスパー FWハリー・ケイン 写真:Getty Images

日本時間2月6日は、イングランドの長いサッカーの歴史にまた新たな記録が刻まれる日となった。プレミアリーグ第22節トッテナム・ホットスパー対マンチェスター・シティの試合が行われ、イングランド代表のキャプテンも務めるトッテナムのFWハリー・ケインが、同クラブ公式戦通算267ゴール目を達成。クラブ史上最多の記録を打ち出した。

プレミアリーグ通算では200ゴール目となり、1992年のリーグ開催時からで最多得点選手第3位に君臨することになったケイン。多くのサポーターからは「天才」という言葉も飛び交い、伝説のストライカーとして絶対の地位が築き上げられつつある。

ところで、この「天才」プレイヤーとはどんな人物のことを指すのだろうか?この記事では、ケインを例に「天才」の意義も含めて少し深掘りしていこう。


トッテナム・ホットスパー FWハリー・ケイン 写真:Getty Images

「99パーセントの努力」とケインの幼少期

アメリカ出身の発明家トーマス・エジソン(1847-1931)の名言に『天才とは1パーセントのひらめきと、99パーセントの努力である』という非常に有名な言葉がある。

さまざまな異論も存在するが、仮にこの名言を「天才」と定義するとしよう。エジソン流の天才とは、安易ではあるが先天的にずば抜けた才能を秘めて誕生した人物というよりも、日々熱心に経験を積み、後天的に実力を身につけた人物ということが言える。

これに準えてケインの幼少期を遡ってみよう。ケインは、2001年わずか8歳の時点で大人と共に既にサッカー業界に足を踏み入れているのだが、当時所属していたアーセナルのユース・アカデミー(2001-2002)から、実力不足のため契約解除されるという経験を味わっている。

この時に体験した複雑な感情について、自身が立ち上げたハリー・ケイン財団(メンタルヘルスケアを目的とした財団)のPR動画では『子供の頃の拒絶は厄介なもの。8歳の時、アーセナルから離脱させられ、それを教えてくれたのは父だった。僕はまだ拒絶の感情を完全に理解できる年齢ではなかったし、父も失望している様子は見せなかった。ただ頑張ろうと腕を組んでくれた』と説明している。

その後、2004年から現在も所属し続けるトッテナムで、長い茨の道とも言える数々の難関を潜り抜けてきたケイン。特にトップチームに上り詰めるまでの過程ではレンタル移籍を繰り返し、何度も挫折と戦い自問自答を繰り返してきたという。現在は、休みの日だろうがトレーニングを日々怠らず過ごしているそうで、現地のサポーターからは真面目過ぎるという声も多いほどだ。

まさに、エジソンの「99パーセントの努力」と合致する経歴と言えるのではないだろうか。

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名前:Molly Chiba
趣味:自然散策、英国のあれやこれやをひたすら考えること
好きなチーム:トッテナム・ホットスパーFC

東北地方の田園に囲まれ育ちました。英国のフットボール文化や歴史、そして羊飼いやウールなどのファッション産業などに取り憑き、没入している日本人女性です。仕事のモットーは、伝統文化を次世代に繋ぐこと。

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