ワールドカップ 日本代表

ブラジル戦が教えてくれた!サッカー日本代表がW杯で期待できる理由

遠藤航(左)伊東純也(中)冨安健洋(右)写真:Getty Images

6月の国際Aマッチ期間に開催されている「キリンチャレンジカップ2022(2日、6日)」と「キリンカップサッカー2022(10日、14日)」。サッカー日本代表は、2日にパラグアイ相手に4-1の快勝スタートを切り、6日にFIFAランキング1位のブラジルと対戦した。

ブラジル戦はPKにより0-1の敗北となり、過去の対戦と合わせて11敗2分と未勝利の成績を続けることとなった日本。残念な結果ではあったが、11月に開催されるFIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)に向けて可能性を感じさせるプレーを見せてくれた。同ブラジル戦を振り返り、日本代表の成長と期待ポイントをまとめてみたい。

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日本代表 DF吉田麻也 写真:Getty Images

やりたいことが明確で、パスミスも少ない

6日の試合は前半2分、FWネイマールが数人に囲まれながらヒールパスを出した場面から、ブラジルが技術の高さを知らしめる。全体にブラジルが攻める時間帯がほとんどだったが、苦しみながらも日本は多くの際どい場面を凌ぐことができていた。

後半32分、ペナルティーエリア内の混戦でFWリシャルリソンが倒れるが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が使われてもおかしくなかった場面でレフェリーは迷わずブラジルにPKを与えた。その時点までにファインセーブで目立っていた日本のGK権田修一のゴールを破ったのはネイマール。その得点が試合の勝敗を決めた。

日本の勝利を期待していた者、もう少し平等な戦いを見たかった者の気持ちはよくわかる。しかし同試合は、W杯優勝5回の経験があるFIFAランキング1位のブラジルと、1998年に初めてW杯に出場した日本の対戦だったことを忘れてはいけない。勝敗よりも、過去の試合と比べて日本がどれほど成長したかを見極めるべきだろう。

過去20年間で7回あったブラジルとの対戦では、ほとんどの試合で大差をつけられていた。

  • 2005年:日本2-2ブラジル
  • 2006年:日本1-4ブラジル
  • 2012年:日本0-4ブラジル
  • 2013年:日本0-3ブラジル
  • 2014年:日本0-4ブラジル
  • 2017年:日本1-3ブラジル

ここで日本が、PKによる1失点のみに留まったのは非常に大きい。確かにブラジルは身体能力も含めて格上だった。しかし日本は、どのタイミングでどの選手にプレッシャーをかける、どの場面でラインを上げる、どの時間帯で我慢するなど、冷静に考えながらプレーしていることが明らかだったと言えよう。パスミスもほとんどなく、ブラジルほどの強国を相手に呑まれずに、成長を感じさせる試合ができていた。


日本代表 MF遠藤航 写真:Getty Images

苦し紛れの攻撃が一度もない

そして多くのサポーターが気付いてることだろう。こんなに強いブラジルを相手に、日本は苦し紛れに前線と無理に繋げようとするロングボールを一度も見せなかったのだ。長い間攻められながらでも、チャンスの度に前を向いて、しっかりパスを繋ぎながら攻撃を作ろうとしていた。

これにはMF遠藤航の功績が大きいと思われる。遠藤が試合終了の笛が鳴るまで中盤を支配しようと全力を尽くしたことで、日本のチームは形のある攻撃を立てることができたのではないか。

また、FW伊東純也の突破力、怖がらずに仕掛けるFW三笘薫の勢いには、ゴールに結びつかなかったとしても可能性を感じることができた。この2人は、今後のカタールW杯メンバーには絶対に欠かしてはならない選手だろう。

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名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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