アジア AFCチャンピオンズリーグ

「中国勢の凋落ぶりは…」ACL出場枠縮小を韓国メディア指摘「タイや香港に抜かれる」

中国の国旗 写真:Getty Images

 今季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区グループステージに参戦した中国クラブは、ここまでほぼ全ての試合で敗れていることにより批判を浴びている。そんな中国勢について、韓国メディア『スター・ニュース』はアジアサッカーにおける将来的な地位低下の可能性を指摘している。

 中国スーパーリーグ(中国1部)では山東泰山、上海海港、広州FC、長春亜泰の4クラブが今季のACL出場権を獲得。しかし、長春亜泰は財政難の影響もあり先月1日にACLプレーオフ出場辞退が正式決定。くわえて上海海港は中国政府の「ゼロコロナ政策」により上海市内がロックダウンとなったことから、タイ遠征が不可能に。今月11日になって上海海港の参加辞退が公式発表されている。

 そして広州FCと山東泰山はACLグループステージに参戦しているものの、ほぼ全員が10代後半から20代前半と若手主体のメンバー構成に。中国メディア『荊楚網』は「ACLに参戦したクラブは帰国後、21日間の隔離を受けなければならない。中国スーパーリーグはもともと4月22日に開幕する予定だったので、中国スーパーリーグの円滑な運営のため、ACLに参加するクラブは若い選手を派遣することにした。リザーブチームの選手が出場し、選手の育成という目標が明確になっている」と解説していた。

 すると広州FCはグループステージ4試合終了時点で全敗、得失点差-21と最下位に低迷。山東泰山もライオン・シティ・セーラーズFC(シンガポール1部)相手に引き分けたものの、1分3敗とすでにグループステージ敗退が確定している。

 『スター・ニュース』は「中国クラブがAFCポイントの自動販売機に。将来的にタイや香港に追い抜かれるだろう」と中国勢を酷評。「中国のクラブがアジアの舞台からしぼんでいく。かつてAFCクラブランキングで東アジア1位だった中国スーパーリーグが、タイと香港に追い抜かれる可能性が出てきた」と伝えている。

 また、今季のACLにおける中国クラブの惨状については「ACLにおける中国スーパーリーグの大失敗は、ある程度予想された結果だ。新型コロナウイルスの流行と親会社の経営難で、ユースチームしか出場させられなかったのだ。中国スーパーリーグ所属クラブの衰退は、ACLのレベルを下げるという批判さえある」と説明している。

 そしてACL出場枠がアジアサッカー連盟(AFC)の定めるランキングポイントにより定められていることを紹介した上で「昨年、東アジアで3位だった中国スーパーリーグは、2つのグループステージ出場枠と2つのプレーオフ出場枠を獲得した」

 「今年のACLでの中国スーパーリーグ所属クラブの成績からすると、将来的にはタイや香港に抜かれる可能性が非常に高い。もし中国のクラブランキングが東アジアの5位に転落すれば、2024/25シーズンのACL出場枠は『グループステージ出場1クラブ、プレーオフ出場2クラブ』に縮小されることになる。2013年と2015年に優勝した中国勢の凋落ぶりが信じられない」と報道。昨季につづく中国クラブのACL参加辞退やグループステージでの戦いぶりが出場枠縮小につながると結論付けている。

 なお、山東泰山と広州FCがACLグループステージに若手主体のメンバー構成で臨んだことに対しては、中国人のスポーツジャーナリストからも「ACLグループステージの最初の2試合で、小学生が大学生を倒すという冗談のような光景が本当に推し量られた。ユースチームで参加することが若手選手育成とイコールだという論調は大きな間違いだ」と批判の声が上がっている。