Jリーグでは、指導者によるパワーハラスメント(パワハラ)行為が大きな問題となっている。J1リーグのサガン鳥栖では、金明輝監督が選手やスタッフに対して日常的に暴言や暴力などパワハラ行為に及んでいるほか、J2リーグの東京ヴェルディでは、すでに監督を辞任した永井秀樹氏が選手に対して精神的苦痛を与えていたと伝えられている。その中、昨季終了後にY.S.C.C.横浜で現役を退き、現在は格闘家として活動している安彦考真氏が、パワハラ問題に対して自身の意見を述べた。
サガン鳥栖の金明輝監督を巡っては、日常的に暴言や暴力などパワハラ行為に及んでいたとして、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)に対して告発文が提出されたと8月31日に複数メディアが報道。Jリーグが主導となり、実態調査を行う可能性が伝えられている。また、同監督はサガン鳥栖のU-18チームを率いていた時にも、選手に対して罵声を浴びせたり突き飛ばして怪我をさせるなど、精神的苦痛を与えていたと報じられている。
また、東京ヴェルディの永井秀樹前監督を巡っては、パワハラにより選手に対して精神的苦痛を与えていたと伝えられている。また、一部メディアはクラブによる調査が進んでおらず、東京ヴェルディの選手会がJリーグに対して意見書を提出したと報道。クラブの主導でパワハラ問題が隠ぺいされる可能性を指摘していたが、東京ヴェルディは7月下旬から4度にわたってJリーグに対して調査の進捗状況を報告していることから、隠ぺいには当たらないと主張していた。
Jリーグファンからはこれらのパワハラ問題に対して様々な声が上がっている。その中、「年俸120円」という異例の契約でY.S.C.C.横浜に在籍した過去をもつ安彦考真氏は、3日にSNSアカウントで「体罰、パワハラは絶対にあり得ないし、許してはいけないけど、根性と忍耐は120%で必要。この違いを明確に指導できる人が本物だよ。戦術や理論もいいけどここ学ばないと表面上の良い選手しか生み出さない。大事なのはいざというときに怯まず臆さず躊躇しない選手。根性と忍耐を軽視してはいけない」とコメント。勝負に挑む際に必要なメンタリティを植え付けることが指導者に求められていると持論を展開している。
なお、安彦考真氏は2018年に水戸ホーリーホックへ入団する前、ブラジルのグレミオ・マリンガや日本国内の専門学校でコーチとして指導に当たっていた。パワハラ問題に焦点が当てられる中、指導者がメンタル面で選手を成長させるために必要な要素を再考することが求められているかもしれない。
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