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「10年前のW杯優勝は…」なでしこジャパンの東京五輪8強敗退に近賀ゆかりが危機感

近賀ゆかり(写真左) 写真提供: Gettyimages

 東京五輪が開催される中、なでしこジャパン(日本女子代表)は先月30日に準々決勝・スウェーデン戦に臨んだものの、1-3で敗戦して大会を後にしている。このベスト8での敗退は周囲で議論の対象となっているが、サンフレッチェ広島レジーナに所属する元なでしこジャパンのDF近賀ゆかりがSNS上に残したコメントが大きな話題を呼んでいる。

 なでしこジャパンは高倉麻子監督のもとで東京五輪女子サッカー競技に臨んだが、グループステージ第1節・カナダ戦をドローで終えると、第2節・イギリス戦では0-1と敗戦。グループステージ敗退の危機に直面したが、最終節・チリ戦で1-0と勝利して準々決勝進出を決めていた。

 しかし、準々決勝・スウェーデン戦では先制ゴールを献上した後、23分にFW田中美南が同点弾。しかし、後半に2失点を喫すると、試合はそのまま1-3で終了。なでしこジャパンはベスト8で姿を消している。

 その中、かつて2011年の女子ワールドカップの優勝メンバーのひとりである近賀ゆかりがSNSを更新。今大会でのなでしこジャパンについて「なでしこジャパンのみなさん、東京オリンピック2020お疲れ様でした。ベスト8敗退という結果に対して選手それぞれの気持ちがあると思います。それと同時に応援して頂いた方々、スポンサーの皆様、関係者などたくさんの方々の意見や気持ちがあると思います」

 「その中には良いものもあれば、厳しい意見があるのは当然のことです。チームが強くなる為には、個の成長が必ず必要だと思います、それと共にチームとしてグループとして成長もないと本当の意味で強くて勝てるチームにはなれないのではないかと思いました」

 「これを考えた時に数年前の男子代表で取り上げられた「自分たちのサッカー」という言葉が浮かびました。あそこから男子代表は世界で闘う為に世代を越えて男子サッカーグループとして大きく変化しているのではないかと感じています。個が成長して、チームになった時にグループとして力を発揮する。現在のオリンピック代表やA代表は観ていて楽しいサッカーだし、世界とも闘える感じがしてワクワクします。それでも世界の強豪とは差があるのかもしれないけど、そこへの挑戦の階段は確実に登っているように私には見えます」

 「ここで感じたことは、10年前のW杯優勝という出来事はブームとして終わってしまったということです。これは女子サッカーの歴史の一部でシドニー五輪に行けなかったり、アテネ五輪への切符を獲得するための国立での戦い、W杯優勝、ロンドン五輪銀メダル、リオ五輪予選の敗退、東京五輪ベスト8など、これら全てを踏まえた上でこれからのことを考えていくことが大事だと私は思います」と女子サッカーに対する人気の低下を危惧するコメントを残している。

 同選手はつづけて「選手のみなさん、代表選手も代表選手以外の全ての選手に伝えたいことがあります。おそらく日本の女子サッカーはピンチです。批判や厳しいことを言われることがピンチなのではなく、興味を持ってもらえなくなっていることが何よりもピンチです。ただ、ここでこんなネガティブなことを伝えたいのではなく、逆境に団結して立ち向かっていこう!!ということです。これはなでしこ・女子サッカーの良さではないでしょうか?」

 「有難いことに日本女子サッカー初のプロリーグWE Leagueがスタートし、なでしこリーグも高いレベルを保ちながら行われています。海外にいる選手もここに所属する選手もそれ以外の皆さんもみんなの力で何倍にも大きな大きなグループして、サッカーに興味ある・なし関係なく日本のたくさんの人に応援したくなるスポーツにしていく努力をしていきましょう!!」

 「ファン・サポーター、関係者の皆さん、厚かましいお願いかもしれませんが引き続きサポートお願いします!!
皆さんの協力無しにはこのグループが大きく成長することは出来ません。どうか女子サッカーの灯が消えることなく、コロナ禍の大変な時代を明るい方向に導く灯になっていき、将来日本のみなさんを明るく照らす陽になれることを願っています」

 「長く書きましたが、オリンピックで毎日熱くなりスポーツからパワーをもらっているので、これから先もスポーツや女子サッカーがそんな存在になれたらという思いから書かせてもらいました」と今後再び女子サッカーに注目が集まることを望む言葉を残した。