Jリーグ モンテディオ山形

アラウージョ、モンテディオ山形残留の決め手は「金銭面でより良い条件のオファーを受けていたが…」

モンテディオ山形のサポーター 写真提供:Gettyimages

 明治安田生命J2リーグのモンテディオ山形で来季もプレーすることが決まったFWヴィニシウス・アラウージョが、母国メディアに対して日本での生活や残留した理由などを語ったようだ。21日、ブラジル『A Noticia』が伝えている。

 ブラジルの世代別代表に選出された過去を持つヴィニシウス・アラウージョは、スタンダール・リエージュ、ウエスカ、レアル・サラゴサなど欧州クラブに在籍した後、2018年にヴァスコ・ダ・ガマへ移籍。その後、アヴェイへのレンタル移籍をへて2020年にモンテディオ山形に加入している。同選手はシーズン序盤こそ出場機会に恵まれなかったものの、後半戦ではゴールを量産。公式戦27試合の先発出場で14ゴールとモンテディオ山形の攻撃陣を引っ張る存在となり、他クラブへ移籍する可能性が噂される中、21日にクラブとの契約更新を行った。

 ヴィニシウス・アラウージョはブラジルメディアのインタビューに対して「日本に行くことを望んでいたし、日本の文化を知りたいと思っていたが、昨年末に(モンテディオ山形から)オファーを受けたよ。2月に日本にやって来たけど、その時は代理人や通訳以外は誰も知らない状況だった。妻と娘にはすぐにブラジルから日本に来てほしかったけど、新型コロナウイルスの影響によって8月末までひとりで生活していたよ」と異国の地でクラブ活動以外の時間ではひとりで過ごす時間が長かったことを明かす。

 同選手は8月29日に行われた第15節・FC琉球戦でJリーグでの初ゴールを挙げると、10月から11月にかけて9得点をマーク。この活躍が評価され、明治安田生命J2リーグ・10月度のKONAMI月間MVPに選出されているが、その理由として「それでも妻と娘が日本に来てくれたことが嬉しかったよ。それからゴールも決めるようになったし、プレーしていて幸せだと感じるようになったね」と語っており、つねに家族がそばにいる環境への変化をあげている。

 そして来季もモンテディオ山形でプレーする決断を下したことについては「他のクラブから金銭面でより良い条件のオファーを受けていたけど、金がすべてではないよ。山形で受けたサポートへの恩返しをしたいと思っていた。2021年はたくさんのゴールをあげ、チームを助けたいね」と多くのサポートを受けたことに感謝の気持ちを言葉にしている。

 今シーズンは勝ち点62の7位とまずまずの戦いぶりを見せたモンテディオ山形は、石丸清隆監督の来季続投をすでに発表している。同クラブの頼れるゴールゲッターが家族をはじめ周囲のサポートを受けながら、石丸監督やチームメイトとともにJ1リーグ昇格を目指す。