リーグアン パリ・サンジェルマン

DR.TRIBE【試合診断書】CLグループステージ:リバプール対パリ・サンジェルマン

大会:チャンピオンズリーグ
カード:リバプールvsパリ・サンジェルマン
スコア:3-2
担当医:菊池大将(@yukkenokonoko
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):ロベルト・フィルミーノ

途中出場から値千金の決勝弾を挙げた。勝ち上がりの難しいこのグループにおいて、ホームのPSG戦で勝ち点3を奪取することの重要性は非常に高い。シュートコースも完璧だった。

ザ・ハード・ワーカー(THW):ジェームズ・ミルナー&ジョーダン・ヘンダーソン

絞り切れないため2人を選出。ミルナーは常にピッチを動きながら埋めなければいけないスペースを埋めて攻撃に繋がるディフェンスを披露。決勝点もミルナーの素晴らしいプレーから。ヘンダーソンはいつ、どの位置でプレスをかければ優位に攻撃できるかを知り尽くしていた。相手の状況を見た彼のプレスのタイミングと、そこからの連動性は非常に質が高かった。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):フアン・ベルナト

何と言っても2失点目に繋がるPKの献上が痛すぎる。序盤の猛攻を1失点で凌ぎ、用意していた作戦が無駄になるといっても過言ではないプレーだった。サイドでのディフェンスも軽く、簡単にエリア内への侵入を許した。


リバプールの攻撃vsPSGの守備

いつもように序盤から中盤の高い位置で圧力をかけショートカウンターから、SBを高い位置に配置し20分頃までは完全にPSGを押し込んだ。右サイドを中心に攻撃を組み立てモハメド・サラーに中間ポジションを取らせ、周囲に人を複数配置し、素早いパス回しでボールの取りどころを曖昧にさせた。PSGもカバーニや中盤のプレッシングでリバプールのビルドアップをサイドに制限することには成功していた。

先制点を30分に取れたことは大きい。ダニエル・スタリッジのポジション取りは素晴らしかった。その後、PSGはボールを持たせることにシフト。リバプールは最終ラインにワイナルドゥムを配置するなど工夫を見せ、前線3枚をセンターよりにプレーさせることでプレスをかわしながらサイドバックをフリーにすることに成功する。PSGは4-4-2の守備ブロックを組んでしのぎにかかったが、PKの献上は計算外だっただろう。

最後はフィルミーノが投入されたことで、PSGのマークを少し曖昧にすることに成功。フィルミーノの決定力に助けられた面もあるが、最高の結果といえるだろう。ジェルダン・シャチリを投入し、サイドで仕掛ける場面も増やしたが、PSGは常に数的優位を作って対策した。


PSGの攻撃vsリバプールの守備

恐らく想定はしていたものの、想像をこえるリバプールのインテンシティの高さにPSGは序盤から後手を踏んだ。ただ、パスのルートは洗練されており、精度次第でチャンスはあっただろう。ネイマールを中盤に落としてカバーニやムバッペまでボールを送ろう試みたが、ハードなプレスによりそれは難しかった。

PSGはリバプールの4-3-3、もしくは4-1-4-1のディフェンスに対してアンカーのマルキーニョスを下げて、3バックに変更するという手段を使った。前線3枚に対して3バックは優位性が下がるように見えるが、サラーとサディオ・マネがCBにプレスをかけると、ネイマールとムバッペが相手のSBを釘付けにして、少し高い位置を取らせたSBがフリーになるところを狙いプレスの回避に成功。

そこからのパスのルート選択は非常にスムーズだった。1点目はこれが見事に成功した得点だ。ちなみに、サラーとマネがプレスにこない場合は左右のCBが持ち運ぶことでビルドアップを完成させた。

リバプールもそのビルドアップの形を中盤の構成などで対処しようとしたが、そのタイミングでネイマールが受けに下がり、自由になったリバプールのSBがPSGのSB(ポジション取り的にはSHかWB)に食いついたところを狙って、カバーニがサイドに流れたりムバッペのところのスペースを上手くついた。アンドリュー・ロバートソンのサイドでのムバッペへの対応は素晴らしいものがあった。

終盤はユリアン・ドラクスラーを投入したことで、ムバッペをよりゴールに近い位置でプレーさせることに成功。これが2点目に繋がっている。もちろんネイマールと、ムバッペの個々の能力の高さも活きた。


リバプール監督:ユルゲン・クロップ

ホームのPSG戦で勝ち点3を奪取できたという結果は称賛に値する。トゥヘルとの戦術的な駆け引きも非常に見ごたえがあった。様子を見てフィルジル・ファン・ダイクを高い位置でプレーさせるなど、引き出しの多さも見せていた。ただ、内容で言えば今回はトゥヘルに軍配が上がるかもしれない。


PSG監督:トーマス・トゥヘル

序盤こそ後手を踏んだものの、以降の采配は名将と呼ぶに相応しいものだった。リバプールのプレス回避のための策は見事。リバプールが仕掛けた対策への対策も素晴らしかった。誤算があるとすれば2失点目だろう。ただ、交代策も意図が感じられ、リスクマネジメントの観点からしても実に研究された采配と言えるだろう。


主審:ジェネイト・チャキル

試合を通して大きなミスはなかったが、PSGの1点目のシーンはオフサイドを取るべきだったかもしれない。カバーニはクロスボールに対して直接関与はしていないものの、彼のオフサイドポジションでのシュートモーションによりリバプールのDF陣が目を奪われ、トーマス・ムニエがフリーになった。