インテル トッテナム

DR.TRIBE【試合診断書】CLグループステージ:インテル対トッテナム・ホットスパー

大会:UEFAチャンピオンズリーグ
カード:インテル対トッテナム・ホットスパー
スコア:2-1
担当医:高橋羽紋
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOM):サミール・ハンダノビッチ

苦しい時間帯を最少失点で凌げたことが逆転勝利を呼び込んだ。プレスを受けながらも、確実に味方へボールを繋ぎ続けたプレーはチームを大いに助けている。同点弾を決めたマウロ・イカルディもMOMに値するが、。

ザ・ハード・ワーカー(THW):マルセロ・ブロゾビッチ

チーム最多の12.41kmを走破。ほぼ全てのビルドアップに関わりボールを前進。守備面でも多くのセカンドボールを回収し、デンベレ、エリクセン相手に辛抱強く耐え続けた。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):アントニオ・カンドレーバ

後半64分に途中投入されるも完全に攻撃のブレーキとなった。左サイドでのプレーは窮屈さを感じさせ、右サイドに配置転換。決勝点となるCKは高精度であったが、流れの中での貢献は皆無であった。


インテルの攻撃vsトッテナムの守備

インテル:ビルドアップはGK+2CBからブロゾビッチを経由して前線へパスが送られた。ハンダノビッチは難易度の高いパスを正確に味方へ届け、プレス回避に大きく貢献していた。

中央のナインゴランは相手守備ブロックの間でボールを受けられなかったため、サイドからの局面打開が基本。右SBにはシュクリニアルが入ったため、右サイドの攻撃はポリターノが個人で勝負。左SBのアサモアはインサイドに入りながら中央への楔やアーリークロスなどより攻撃色が強いプレー。しかし、イカルディへのボールは精度を欠いたため、迫力不足は否めなかった。

トッテナム:流れの中で守備が混乱する場面はほとんどなかった。1失点目はイカルディを褒めるべきであり、2失点目はセットプレーからの失点だ。攻守ともによくオーガナイズされていたが、試合の最も重要な局面で踏ん張れなかった。


トッテナムの攻撃vsインテルの守備

トッテナム:攻撃の陣形は左右非対称。インテルの1stDFであるイカルディとナインゴランに対して、2CBに加えてダイアーを右に降ろすことで円滑にボールを前進させた。

ピッチ上のポジション取りで優位に立ち、主体的な攻撃を行えていた。しかし、インテルの組織立ったエリア内のディフェンスとハンダノビッチの好守連発により1点止まりとなった。

インテル:前半からハイプレスを敢行。試合開始直後はダビンソン・サンチェスへボールを持たせる形をとっていた。しかし、ダイアーのポジション下げによりプレスの方法を変更した。

GKまでボールが戻された際、イカルディは片方のCBへのコースを限定しながらプレス。逆サイドへ開いたCBへパスが渡るとナインゴランがプレス。同サイドのウインガーが相手SB、相手ボランチにはベシーノとブロゾビッチがマークについた。しかし、このプレスの強度が低く、簡単なパス交換で前進を許す場面が目立った。ブロゾビッチとベシーノの懸命な戻りによって致命的な場面は避けられたが、狙い通りの守備は機能しなかったと言えるだろう。


インテル監督:ルチアーノ・スパレッティ

前線からのプレスが中途半端になる場面は多く、主体的な攻撃は繰り出せなかったが初戦勝利。途中投入したカンドレーバは試合に入れず攻撃を停滞させ、守備ブロックの間でパスを引き出せるボルハ・バレロの投入は後半89分と遅すぎた印象だ。

しかし、途中出場したケイタが先制点をアシスト。カンドレーバが蹴ったCKからベシーノが決勝点を奪取。多くのサポーターが不可解に見えたであろう采配が見事的中した。


トッテナム監督:マウリシオ・ポチェッティーノ

前半はインテルのハードプレスにやや苦しんだ印象だが、ベン・デイビスへ内側のランニングを指示するなど効果的な采配。途中投入したルーカス・モウラも得点の可能性を感じさせるプレーを見せた。しかし、2人目に投入したウィンクスが守備に穴を空け、失点を招いた。


主審:クレモン・テゥーペン

インテルにとってはややフラストレーションが溜まるジャッジが多かった。前半39分に起きたフェルトンゲンのペリシッチへのタックルはイエローカードが提示されるべきだった。