Jリーグ サガン鳥栖

名古屋、G大阪、鳥栖はJ1に残留できるのか?調子を上げる降格圏チーム

著者:チアゴ・ボンテンポ

 これだけ白熱したJ1の残留争いは、久しぶりだ。先週末はボトム3の名古屋グランパス、ガンバ大阪、サガン鳥栖が揃って白星を手にし、2005年以来初めて第21節終了時点で最下位チームが19ポイントもの勝ち点を獲得することになった。下位チームが調子を上げたことでV・ファーレン長崎や不調の柏レイソル、湘南ベルマーレとの神奈川ダービーを制したことで降格圏転落を免れた横浜F・マリノスなど、降格圏のすぐ上のチームにとっては状況が悪化している。

 名古屋は開幕前に大金を費やしてブラジルリーグMVPの元ブラジル代表FWジョーを獲得したが、シーズン前半戦は15試合勝ちなしで最大勝ち点の19.6%しか獲得できず、最下位に終わった。しかし批判を浴びた風間八宏監督を解任する代わりに、フロントは特にリーグ最多失点の守備陣を補強するために更に5人の新戦力を獲得する決断を下す。その全員がスタメンに入ると、結果はすぐに上向いた。チームはそれ以降負けなしで、直近の4試合で勝ち点10を獲得。現在はJ1残留が現実的な状況となっている。

 ディフェンスはまだ相手にスペースを与えすぎているが、柏から加入した中谷進之介、FC東京から加入した丸山祐市の2人のセンターバックの存在によって進化を遂げている。川崎フロンターレからやって来た守備的MFエドゥアルド・ネットは怪我から復帰したばかりでベストの状態ではなかったものの、左サイドバックの金井貢史(元横浜FM)とプレーメーカーの前田直輝(元松本山雅)は、4-2で勝利した土曜日の鹿島アントラーズ戦で決定的な役割を果たした。苦手の鹿島に対して、8試合ぶりの勝利だった。

 2得点を決めファウルでPKを与えた金井はヒーローから悪役、そして再びヒーローへと姿を変えた。前田はポストに当たるシュートを放ち、2ゴールをお膳立てした後のアディショナルタイムには自身でゴールを決め、この試合の主役の一人になっている。名古屋では4-4-2のセカンドストライカーというこれまでよりも高いポジションでプレーしており、ジョーとガブリエル・シャビエルに集中しすぎていたグランパスの攻撃に新たな幅をもたらした。これまでの4試合すべてに出場し、その間の9得点中チーム2位となる6得点に絡んでいる。また鹿島戦でデビューし前田のゴールをアシストしたルーキーの相馬勇紀も、活躍が期待される。

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