Jリーグ サガン鳥栖

名古屋、G大阪、鳥栖はJ1に残留できるのか?調子を上げる降格圏チーム

ガンバ大阪のアデミウソン 写真提供:Getty Images

 一方、17位のガンバ大阪は補強に苦労した。ベガルタ仙台に期限付き移籍した矢島慎也、東京ヴェルディに期限付き移籍した泉澤仁など選手が抜けるばかりだったが、その後FC岐阜からヴィッセル神戸に加入した古橋亨梧と並んで今季J2のベストプレーヤーの一人だった小野瀬康介を獲得している。若いチームで結果を出すことに失敗したレヴィー・クルピ監督の解任後、ガンバはU-23チームから昇格した宮本恒靖新監督に頼ったが、試合終盤に勝利を逃す不運が続いた。

 金曜日の2位FC東京戦も、同じ結果になるかに思われた。首都クラブの激しい攻撃に耐えて1-0でリードしていたガンバは、86分にディエゴ・オリベイラの個人技によって同点ゴールを許してしまったのだ。しかしアディショナルタイムの最後になってアデミウソンがゴール左隅に止めることが不可能なシュートを叩き込み、ガンバは9試合ぶりの勝ち点3を手にした。

 試合開始時間が遅かったサガン鳥栖は、一時的に最下位に転落していた。トーレスと金崎のコンビはまだ不完全だったが、大観衆の詰めかけたベストアメニティスタジアムで浦和レッズの勢いを抑えた鳥栖は、コーナーキックからボランチの高橋秀人がヘディングシュートを決めて1-0で勝利した。李忠成の同点ゴールがゴールキーパーへのファウルで取り消された終盤のシーンは議論を呼ぶものだったが、最終的には鳥栖は最下位転落を免れるだけでなく長崎を得失点差で上回って降格圏を脱した。

 W杯による中断期間後、鳥栖もガンバも、名古屋も調子を上げている。残りの13節を同じインテンシティでプレーできるなら、彼らのJ1残留の可能性は高いだろう。これは特にこれまで健闘しているが戦力的に限りがあるV・ファーレン長崎、今季最も期待外れなチームの一つであり監督交代後も低迷が続く柏レイソルにとっては、悪いニュースだ。彼らは町田ゼルビアがJ2のトップ2に入り、降格枠が一つ減ることを願っているかもしれない。

著者:チアゴ・ボンテンポ

1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。

Twitter: @GunnerTNB

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