代表チーム フランス代表

新時代到来?堅実に20年ぶりの栄光への階段を上るフランス代表

フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督(一番左) 写真提供:Getty Images

 当時キャプテンとして中盤で絶大な存在感を発揮したディディエ・デシャン監督は、ウルグアイ戦後に現在のチームを「時に経験のなさが見えてしまうが、非常に多くのクオリティを持っている」と評し、ベスト4進出の結果に安堵した様子を見せている。

「いずれにせよ、これで失敗のW杯になることはない」

 この言葉には、2年前に自国開催の欧州選手権で優勝を逃したデシャンの心理が透けて見える。20年前に勝るとも劣らない若く才能あふれる選手を揃えた現在のフランスにとって、前回のブラジルW杯のベスト8を上回る成績は至上命題であり、早期敗退の失態は許されるものではなかった。スペクタクルよりも結果の追求に傾くのも、当然かもしれない。彼らにとっては準々決勝の勝利もひとつの通過点にすぎず、指揮官は次のラウンドでの出場停止を避けるために警告を受けないよう事前に選手たちに忠告していたことを明らかにしている。

「勝ったとしても彼らがイエローカードを受けてしまったら…ファウルであってもそうだが、ジェスチャーや態度、抗議のせいであればそれは完全に不必要なものだ」

 それはまるで、準決勝進出が予定通りと言わんばかりだった。メッシとクリスティアーノ・ロナウドの2大スーパースター、ドイツやスペインに続いてブラジルも大会を去った今、フランスは優勝の最有力候補と言っていいだろう。しかし次の対戦相手となる隣国ベルギーはフランスにとって今大会一番の強敵であり、これまでの試合とはもう一つ上のレベルの戦いが要求される。デシャンが「まだ大いに改善の余地がある」と語るレ・ブルーがそこでタレント集団の真価を発揮し2度目の世界制覇に王手を掛けるようであれば、今大会が到来を予感させるサッカー界の新時代において、フランスは一気にその主役へと躍り出ることになるかもしれない。

著者:マリオ・カワタ

ハンガリー生まれドイツ在住のフットボールトライブライター。Twitter:@Mario_GCC

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