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【独占コラム】勇敢な愚か者よりも、分別ある“卑怯者”になる方がいい

ポーランドの選手たち 写真提供:Getty Images

 ポーランドサッカー協会の会長で、ポーランドサッカー史上最高の選手であるズビクニェフ・ボニエクも「負けているチームがそのままの状態を維持し、イエローカードをもらわないことだけを考えてプレーしているのを、人生で初めて観た」と語った。一方で、私たちの多くがこの10分間について理解している。時には勇敢な愚か者になるよりも、分別ある“卑怯者”になる方が得策なのだ。

 ポーランドは勝利を目指していたため、1-0のスコアでよかった。しかしポーランドのメディアはその姿勢について厳しく非難した。そしてそれは日本だけに向けられたものではなく、ポーランドについても同じことが言える。

 なぜならば、ポーランドには以下のような考え方があるからだ。

1.初戦
2.人生をかけた試合
3.名誉をかけた試合

 いつもこのように考える。2002年と2006年のW杯で、ポーランドは最初の2試合に負け、グループ突破の可能性がない中で3試合目に勝利した。国民は失望した。多くのコメントがネガティブなものだった。1勝をあげたが意味のないものだったからだ。カミル・グリクはこう語っている「僕らは1勝した。W杯は僕たちにとって残念なものになったけれど、不名誉なものではない」

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