Jリーグ サンフレッチェ広島

サムライブルー入りを夢見るJ1得点王パトリック、日本への帰化を語る「私の心は日本人」

サンフレッチェ広島のパトリック 写真提供:Getty Images

JFAの協力があれば…

 通常のルールであれば、パトリックは日本国籍を申請するためにまた5年の居住期間が必要になる。それはつまり2022年まで国籍が取得できないという事であり、その時に彼は既に34歳になっている。しかしパトリックは、日本サッカー協会(JFA)がそのプロセスを速める助けになってくれることを願っている。

「弁護士を探して、解決策を見つけようとしているよ。最近の試合で日本のメディアに聞かれた時には、ジョークさえ言ったんだ。『すぐに帰化して、ワールドカップに行くチャンスを得るための唯一の道はJFAが助けてくれることだ』ってね。彼らは笑ってくれたよ。でも僕の気持ちは変わらないし、国籍を得られたら日本代表でプレーできるチャンスはあると思う。特に日本代表には僕のような特徴を持った選手はいないからね。全てのポジションに良い選手がいるけど、最前線には長身で強いセンターフォワードがいない」

 国籍取得には日本語能力も求められるが、パトリックはその点は問題ないと断言する。「通訳に教えてもらっているんだ。読まないといけない本があって、なかなか難しいけど…でもコミュニケーションはできる。流暢にではないけど、多くのことを理解できるよ」

ギリギリの残留から首位独走へ。サンフレッチェ成功の秘密

「僕の考えでは、サンフレッチェは3人のセンターバックとウィングバックを使う同じシステムでプレーする期間が長すぎた。他のチームは彼らを倒す方法を研究していたんだ。浦和もほとんど同じシステムでプレーして、調子を大きく落としたよね。広島では選手たちが負けることに慣れていなかった。チャンピオンだったチームだからね。でもモチベーションが落ちて、反撃する強さが残っていなかった。僕は(丹羽)大樹と一緒に2017年の途中に加入したけど、それが僕が感じたことだった。キャプテンであり最も経験豊富なアオ(青山敏弘)に、チームのモチベーションを上げるよう話したよ。こんなに才能豊かなチームが、あんな状況にいることが信じられなかった。僕はいくつかゴールを決めて、残留に少し貢献することができた。(ヤン・)ヨンソン監督の貢献は大きかった。おかげで僕は2018年も契約を更新することができたんだ」

 パトリックはフィットネスのレベルが、今年のサンフレッチェが他チームを上回っている理由だと言う。「試合が終わると僕らはいつも立っているのに、相手チームのほとんどの選手がグラウンドに崩れ落ちる。僕らの方が相手よりも走っているのにね。新しいフィジカルコーチの(池田)誠剛さんはとても知識があって、プレシーズンにはフィジカルの準備をするための多くのトレーニングを与えてくれた。シーズンの初めにこのタフなスケジュールは分かっていたし、フィジカルの準備ができていなければそれを乗り切れなかっただろうね」

ページ 2 / 3