「守備的すぎる」という評価を覆した城福監督
ブラジル人ストライカーは、城福浩監督の成長も強調している。
「彼と仕事をするのは2回目だけど(2013年ヴァンフォーレ甲府時代以来)、彼の哲学は完全に変わっていた。クラブを離れていた時間を使って多くを学び、指導者としてのスキルを磨いていたんだと思う。今は選手に多くの違ったことをさせるし、たくさんの改善点があるよ。多くの人が彼は守備的過ぎると言ったけど、ここ広島ではそうではない。監督はいつもゴールを意識して、前に進んで攻撃的にプレーするよう言っている。センターバック2枚、2トップのフォーメーションに変えて、選手たちに自信を取り戻した。彼はすごく多くを要求する監督だよ。試合の後には映像を見直して、改善すべき点を見せてくれるんだ。彼は昨季の広島の全試合を見て、2018年の最初のトレーニングで問題点を指摘した。その時に彼の変化を感じたよ」
昨年のサンフレッチェは、勝ち点1の差で降格を免れた。それが今季はリーグ史上最高の勝率により14試合で最大42ポイントのうち37ポイントを獲得するという、非の打ちどころのない成績を残している。2017年の最終勝ち点33さえ既に超えてしまった。34試合での勝ち点の最高記録は、2015年の広島と2016年の浦和レッズの74ポイントだ。現在のサンフレッチェはわずか6失点の堅守が目立つが、攻撃も22得点でリーグトップの数字となっている。そのうち10得点はパトリックが決めたものだ。
「新しい選手たちも大きな助けになっている。首位だからといって僕たちは気を抜くことはないよ。監督がそれを許さない」
日本に住み続けたい
パトリックは最後に、第二の故郷への愛情を語ってくれた。
「友達にはいつも言っているんだ、今はここですごく快適だってね。もうすぐ日本での生活も6年になるし、とても順応している。2番目の故郷のようだね。僕はブラジル人だけど、心は日本人だよ。この国を愛しているから、これからも何年も留まるつもりさ。今の僕があるのはまず神様のおかげだけど、同時に日本のおかげでもある。僕の息子はここで勉強して日本語を学び、もうたくさん話すことができる。妻も日本がすごく気に入っているよ。一年の11ヶ月を日本で、1ヶ月をブラジルで過ごせたら理想だって僕はいつも言っているんだ。ブラジルには暴力の問題があるし、家で強盗にあう危険もある。日本の人々は正しく、歓迎してくれる。外国人かに関係なく、彼らはいつも助けようとしてくれる。長い間ここにいたいと思っているよ」
著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。
Twitter: @GunnerTNB
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