ラ・リーガ セビージャ

セビージャで輝きを増すフランスのダイヤの原石クレマン・ラングレ

セビージャのクレマン・ラングレ 写真提供:Getty Images

 ラングレは幅広い守備のテクニック、高いパス能力とビジョンを備えた現代的なセンターバックだ。セビージャの守備陣では最年少ながら出場時間は最長、今季は3人の監督がセビージャを率いたが、彼は自動的にセンターバックのレギュラーとして君臨した。リーガの出場32試合(先発は30試合)、2732分間でレッドカードや個人のミスは全くなく、非常に高い集中力を見せている。

 現役時代に「小型飛行機」の異名を取ったビンチェンツォ・モンテッラ監督は彼について以下のように語っている。

「彼はフィジカルよりも、メンタルの面でチャンピオンなんだ。将来はバルセロナのようなビッグクラブでプレーできるだろう」

 モンテッラの評価の通りラングレはまだポテンシャルを完全に満たしてはおらず、経験が不足しているためそのプレーは完璧ではない。国内リーグで通算100試合も出場していないことを考えれば、それは当然だろう。

 またラングレは守備でも攻撃でも左足に頼ってプレーしており、このことはスキルに優れたアタッカーと対戦した際に不利になる。今季セビージャはバルセロナ(0-5)、アトレティコ・マドリード(2-5)、セルタ(0-4)に大敗を喫しているが、ラングレは切り返しで苦手な方の足を突く左利きのフォワード(メッシ、グリーズマン、イアゴ・アスパス)に手を焼いた。次のレベルに到達するには、右足のプレーを磨く必要がある。

 キャリアの最初を下部リーグで過ごし、また1年半しか最高峰の舞台でプレーしていないセンターバックとしては、ラングレは急激な成長を見せている。将来的には世界最高のディフェンダーになり得る選手であり、いずれはセビージャを出ていくはずだ。バルセロナ、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッドはこの夏にも獲得に動くだろう。

著者:グエン・クオック・ビエト

フットボール・トライブ・ベトナム編集部のライター。Twitter:@LienMinhPark

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