プレミアリーグ

安宿から高級ホテルへ。急成長するジェームス・ターコウスキーのサクセスストーリー

 パリの5つ星ホテル、モリトールは格別だ。プールから屋上のバーまで全てが最高級かつ高額なホテルは、パルク・デ・プランスからわずか100mしか離れていないため、チャンピオンズリーグでパリ・サンジェルマンと対戦するアウェイチームにしばしば利用される。

 ペリフェリック(パリの高速道路)をもう少し先に行きガソリンスタンドを過ぎると、そこにはホステルがある。きしむベッドからきちんと閉まらない窓、シャワーのカビまで、すべてが質素で安いホステルは、パルク・デ・プランスからわずか100mしか離れていないため、チャンピオンズリーグでパリ・サンジェルマンと対戦するチームのファンににしばしば利用される。

 ほんの数か月前までバーンリーの25歳のセンターバック、ジェームス・ターコウスキーはホテル・モリトールに泊まることなど夢にも思っていなかっただろう。むしろ彼はホステルの方が似合う男であり、実際に鉄道での旅でフランスの首都に立ち寄った時は同じようなホステルに宿泊したという。「僕らは安っぽいホテルに泊まっていた」と彼は『スポーツメール』のインタビューでマイク・キーガンに語っている。「パリの大人数部屋は酷かったよ、どこの誰か分からない人間が寝ていてね。一晩2ポンド(約300円)のところもあった」

 しかし今ではホテル・モリトールに宿泊し、ネイマールやエディンソン・カバーニ、キリアン・ムバッペらと対戦することは、ターコウスキーと彼のチームメートにとって突飛な考えではない。今季クラリッツ(バーンリーの愛称)は一時的だがチャンピオンズリーグ出場圏内に浮上した。現在のチームに費やした移籍金がリーグで下から三番目であることを考えれば、信じられない成績だ。昨年の夏には移籍市場で費やした金額よりも収入の方が多かったが、ターコウスキーのような選手たちがマイケル・キーンら退団した主力選手の穴を埋めた。

 バーンリーは強豪チームが浮上したことでチャンピオンズリーグ出場圏からは脱落したが、UEFAの大会出場権を勝ち取る候補となったことは間違いない。昨夏バーンリーを退団したアンドレ・グレーは「開幕からの4、5試合でなく、16試合が終わった時点でも彼らは好調を維持している」と語っている。バーンリーの順位は、開幕からの2試合で降格候補に連勝しただけで達成されたわけではない。スタンフォード・ブリッジで勝利し、ウェンブリーとアンフィールドでは引き分けている。記念に順位表のスクリーンショットを取っておくような時期はとっくに過ぎており、彼らの躍進は真剣に捉えられるべきものだ。

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