
京都サンガ:ランコ・ポポヴィッチ監督
J経験豊富だが長期政権を築けるかがカギ
期待度:★★☆☆☆
主な監督実績
- アルヌ・フェリス(オーストリア/2002-2004)
- パクヘリフ(オーストリア/2004-2006)
- スパルタク・ズラティボル・ヴォダ(セルビア/2007-2009)
- 大分トリニータ(2009)
- 町田ゼルビア(2011、2020-2022)
- FC東京(2012-2013)
- セレッソ大阪(2014)
- レアル・サラゴサ(スペイン/2014-2015)
- ブリーラム・ユナイテッド(タイ/2016-2017)
- プネー・シティ(インド/2017-2018)
- SKNザンクト・ペルテン(オーストリア/2018-2019)
- ヴォイヴォディナ・ノヴィサド(セルビア/2023)
- 鹿島アントラーズ(2024)
旧ユーゴスラビアに生まれ、セルビアとオーストリアの国籍を持つランコ・ポポヴィッチ監督。Jリーグでは大分トリニータ、町田ゼルビア、FC東京、セレッソ大阪、鹿島アントラーズで指揮を執った。
町田の監督時代にはJFLからJ2昇格に貢献。鹿島でも一定の成績を残した。百年構想リーグ途中に退任した曺貴裁氏、暫定監督を務めた吉田達磨氏の後を受け、京都サンガの新監督に指名された。日本での豊富な経験が期待されての選任だろう。クラブ史上初のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)出場を控える中、攻撃的なパスワークを基盤としたスタイルを構築する可能性がある。
ただし、過去の複数クラブでは短期間の指揮に終わったケースが多く、京都では長期政権が築けるのかが注目される。

セレッソ大阪:パブロ・マチン監督
スペインで確固たる地位を築いた戦術家が注目の初来日
期待度:★★★★☆
主な監督実績
- ヌマンシア(2011-2013)
- ジローナ(2014-2018)
- セビージャ(2018-2019)
- エスパニョール(2019)
- アラベス(2020-2021)
- アル・アイン(2021)
- アル・ラーイド(2021-2022)
- エルチェ(2022-2023)
- アポロン・リマソール(2023-2024)
- ウム・サラル(2024-2025)
セレッソ大阪では、開幕までおよそ1か月のタイミングで、アーサー・パパス前監督がサウジアラビア1部のアル・イテファクから現在の数倍の年俸にあたる監督就任オファーを受け電撃退任。しかしクラブはすぐに手を打ち、ほぼ同時にパブロ・マチン新監督就任を発表した。急な監督流出に対応し、これほどのビッグネーム招聘を実現させたフロントの危機管理能力は、褒められて然るべきだろう。
マチン新監督は、母国のスペインを中心に活躍し、ヌマンシア、ジローナ、セビージャなど多数のクラブを指揮。中でも2016/17シーズンにはジローナを、ラ・リーガ2部2位で、クラブ創設87年目で初の1部昇格に導いた。これがキャリアのハイライトとされる。
その後、サウジアラビアやカタールなどでの指揮では、短期間での解任が続いている点がやや気掛かりだ。3バックを看板戦術とする指揮官だが、前任のパパス前監督も3バックを用いたことともあるだけに、戦術の親和性は高いとみられる。また、自身のネットワークを活かしたスペイン人選手の補強も期待される要素の一つだ。
ガンバ大阪:明神智和監督
選手時代の戦術理解度の高さを監督業に生かせるか
期待度:★★☆☆☆
主な監督実績
- なし
ガンバ大阪もC大阪同様、開幕直前のキャンプ途中のタイミングでイェンス・ヴィッシング監督が、サウジアラビアの強豪、アル・イテハドに引き抜かれるという事態に遭遇し、慌ただしく次期監督選出に迫られた。G大阪をAFCアジアチャンピオンズリーグ2(ACL2)優勝に導いた手腕を評価された形だが、就任からわずか8か月での退任を即断させるほどの巨額オファーが届き、強化責任者である三上大勝フットボール本部長も取り付く島もなかったという。
「才能ある若手選手が欧州移籍をしやすくため」という理由で、雪国のクラブの反対の声を撥ね付ける形で秋春制が導入されたのだが、選手よりも先に、優秀な指揮官が資金力にモノを言わせた中東クラブに次々と引き抜かれていく現実を前に、秋春制推進派は今、何を感じているのだろうか。
三上本部長によれば、オーストリアでキャンプに入っていたチームにも少なからず動揺があったという。一方で、次期監督については「世界中から売り込みがある」と自信を見せていたが、結局は、暫定的に指揮を執っていたトップチーム兼U-21コーチの明神智和氏の内部昇格となった。
2024年3月にJFA Proライセンス(当時「JFA公認S級コーチライセンス)を取得した明神監督。現役時代はサッカーIQの高い堅実なプレーで中盤を締め、当時の日本代表フィリップ・トルシエ監督に「3人の天才と8人の明神がいれば完璧なチームができる」とまで言わしめた。
G大阪の黄金時代を形作った主力だったことから、日の当たる場所を歩み続けたサッカー人生のようにも見えるが、2013シーズンにはJ2に降格したG大阪、引退前にはJ3の長野パルセイロ(2017-2019)と、Jリーグの全カテゴリーでプレー。W杯(2002日韓大会)、ワールドユース(1997マレーシア大会)、シドニー五輪(2000)と世界を相手にした戦いも経験している。
引退後の2020年、G大阪のジュニアユースコーチから指導者キャリアをスタートさせ、徐々にカテゴリーを上げて48歳の若さでトップチームの監督に上り詰めた。半ばアクシデント的な人事だが、後輩の日本代表MF堂安律(アイントラハト・フランクフルト)は、自身のSNSで「Wow めちゃ楽しみ」と投稿している。
しかしながら、突然の指名によるJクラブ初指揮とあって不確定要素も多く、過度な期待は出来ない。よって控え目な評価としたが、“大化け”する可能性も大いに含んでいる。戦力は揃っているだけに、まずはどういうチームを作るのか、お手並み拝見だ。
新監督たちの就任により、各クラブの戦い方がどう変化するかは2026/27シーズンの見どころとなる。降格復活の厳しい環境で、彼らがどのように結果を残すか注目したい。
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