Jリーグ

【2026/27】新たに指揮を執るJ2クラブ監督4人の期待度

ナルシス・ペラッチ・ナダル監督(左)倉石圭二監督(右)写真:アフロスポーツ

いよいよ秋春制に移行する2026/27シーズンのJリーグ。上半期に行われた百年構想リーグでは昇降格がないこともあり、J2クラブの監督交代はリーグ戦終了後も含めてわずか4クラブに留まった。その理由は「2026/27シーズンで昇格を本気で狙う」ポジティブなものから、「J3への降格を回避するため」というネガティブなものまで様々だ。

新たに就任した監督には、クラブに新風を吹き込むことが期待される一方、降格が復活するという点で厳しい競争に置かれることになる。ここでは、監督交代に踏み切ったヴァンラーレ八戸、RB大宮アルディージャ、ジュビロ磐田、徳島ヴォルティスの4クラブの新監督に焦点を当て、各人の主な実績と指導歴を基にJ2の舞台での可能性を分析し、期待度を評価したい。J2は昇格争いも残留争いも激しく、実力差も大きくないため、新監督には即戦力的な手腕が不可欠となる。


倉石圭二監督 写真:アフロスポーツ

ヴァンラーレ八戸:倉石圭二監督

指導実績は十分だが、J2経験の少なさが不安要素

期待度:★★★☆☆

主な監督実績

  • 宮崎日大高校監督(2009-2016)
  • テゲバジャーロ宮崎監督(2018-2020)
  • FC今治監督(2025-2026)

44歳の倉石監督は、選手時代に国見高校、専修大学を経て、JFLのホンダロック(現ミネベアミツミ)で5年間プレー。プロ選手としての経験はないが、2009年に宮崎日大高校のコーチから指導者キャリアをスタートさせた。

2017年4月、当時は九州リーグだったテゲバジャーロ宮崎のヘッドコーチに就任し、JFL昇格に貢献。2018年6月、成績不振に伴う石﨑信弘監督の後任として監督代行を務め、同月26日に正式に監督となった。2020シーズンにはJFLで2位となりJ3昇格を決めたが、S級コーチライセンスを持っていなかったため(ライセンス取得は2023年)内藤就行監督にその座を譲り、自身は2021シーズンはヘッドコーチに座った。

その後のキャリアは、2022年から2023年に横浜FCコーチ、2024年にV・ファーレン長崎ヘッドコーチ、2025年から2026年4月までFC今治監督を歴任。2026年6月に、ヴァンラーレ八戸の新監督に就任が発表された。

前任の高橋勇菊監督が徳島に引き抜かれたことによるものだったが、倉石監督の強みは、地方の小クラブでの指導経験から来る選手育成力と、粘り強いチーム作りにある。八戸の特性を活かした「最後まで走り抜く」スタイルを志向しており、クラブ公式発表でのコメントでも「青森・八戸らしい粘り強さと逞しさ」を強調している。

ただ、J2での監督経験が浅く、即座に昇格争いを求めるのは時期尚早だろう。チームが中位から上位へ上昇するための基盤固めには適しているものの、短期的成果を求めるクラブ事情を踏まえると、適応期間が必要となることから、中程度の期待度とした。


ナルシス・ペラッチ・ナダル監督 写真:アフロスポーツ

RB大宮アルディージャ:ナルシス・ペラッチ・ナダル監督

スペイン、イングランドを渡り歩いた実績

期待度:★★★★☆

主な監督実績

  • ジローナB監督(スペイン/2017-2019)
  • ハダースフィールド・タウン暫定監督(イングランド/2020-2023)
  • ストーク・シティ監督(イングランド/2024)

37歳のスペイン人指揮官であるナルシス・ペラッチ・ナダル監督は、若手ながら欧州での指導経験が豊富だ。

2017年7月から2019年6月まで実質スペイン5部のジローナB監督、2019年7月から2020年6月までトップチームのアシスタントコーチを務め、2020年7月から2023年5月までハダースフィールド・タウンでアシスタントコーチおよび暫定監督、2023年5月から2024年9月までノリッジ・シティのアシスタントコーチ、2024年9月から12月までストーク・シティの監督、2025年1月から9月までウェストハム・ユナイテッドのアシスタントコーチを歴任。UEFAプロ指導者ライセンスを保有している。

2026年6月24日、RB大宮アルディージャの監督就任が発表された。前任の宮沢悠生監督は、解任後にヘッドオブメソドロジー(統括責任者)としてクラブに残ることとなった。レッドブル・グループの人脈を大いに生かした人事とみられ、ナダル監督はクラブ公式サイトを通じて「アグレッシブで強度が高く、常に前進を目指すレッドブルサッカーを体現する」とコメント。ヘッドオブスポーツ(最高責任者)のスチュアート・ウェバー氏も、同監督の戦術面・育成面での資質を高く評価した。

J2の歴史を紐解いても、これだけの欧州リーグでの経験を持つ指揮官は初めてではないだろうか。選手の成長が促されることは確実で、J1昇格を目標とするクラブのビジョンと合致する。ただ、日本サッカー特有のスタイルや環境への適応という点では未知数であり、J2の環境への適応期間を考慮する必要がある。この点を踏まえ、満点とはしないが、ほぼそれに近い評価とした。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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