MF佐野海舟(マインツ)、FW大橋祐紀(ブラックバーン)、FW塩貝健人(NECナイメヘン)など、Jリーガーの欧州挑戦が相次いだ2024年夏の移籍ウィンドウ。特にイングランド2部、ベルギー1部、オランダ1部所属クラブへ加入する日本人選手が増加傾向にあるだけに、現地ではJリーグに対する関心度がアップ。町田ゼルビア所属のパリ五輪U23日本代表FW藤尾翔太も注目を浴びている。
この夏の移籍期間では、MF伊藤敦樹(KAAヘント)、MF高嶺朋樹(KVコルトレイク)、MF川村拓夢(レッドブル・ザルツブルク)など、20代中盤の選手による欧州挑戦が増加。FW横山歩夢がサガン鳥栖からバーミンガム・シティFCへ移籍するなど、イングランド2,3部所属クラブによる日本人選手獲得も目立つ一方、一部では有望株の海外流出によるJリーグのレベル低下が懸念されている。
横浜F・マリノスとの契約を解除し、ナイメヘンへ加入した塩貝の新天地デビューも期待されるなか、オランダメディア『Huiskamerscout』は13日に「10年以上前、日本の市場はかなり過小評価されていた。しかし今では、ヨーロッパのすべてのクラブがJリーグに注目している」とリポート。Jリーグは安価な移籍金で有望な選手を獲得できる市場として、熱視線を注がれているという。
また同メディアは移籍ウィンドウが開いていた8月、藤尾の去就を特集。理想的なステップアップ移籍先としてオランダ1部、ベルギー1部を挙げると、「ドイツ2部も選択肢のひとつ」と主張。ドイツサッカーにフィットする可能性がある理由として、「彼は守備面で汚い仕事をすることを恐れず、前線でプレスを仕掛けるからだ。ピッチ上での振る舞いでも、多くの対戦相手にとって本当に厄介な存在となる。ハードワークができ、優れたメンタリティーを持ち、いい意味で問題児だ」と綴っている。
欧州での評価が上昇している日本人選手だが、良いことばかりではない。海外で結果を残せず、2,3年でJリーグに復帰するというケースが相次いでいるだけに、原博実氏(大宮アルディージャのフットボール本部長)の息子である原大悟氏は、2024年1月の時点で以下のように投稿していた。
「藤井陽也、後藤啓介、明本考浩などこの冬でもベルギーリーグへの加入が続々。これでベルギーリーグの外国籍選手の人数はフランスに次いで2番目に日本が多くなったそうです。日本人選手の価値爆上がりの理由、現地メディアによると、選手のクオリティはもちろん、同じチーム日本人選手がいるとフィットが早くなること、さらにはベルギーで活躍できなくてもJリーグのチームが買い戻してくれる事も多いのでリスクがほとんどないと書いてありました」
この夏も、MF本間至恩がベルギー1部クラブ・ブルッヘで構想外となり、浦和レッズへ移籍するなど、一部の若手選手がJリーグへ復帰。“ローリスクハイリターン”と位置付ける欧州クラブの日本人選手獲得戦略に、一部のファン・サポーターは複雑な思いを抱いているはずだ。
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