V・ファーレン長崎はファビオ・カリーレ監督を巡る問題で、ブラジル2部降格クラブのサントスや同監督などを相手どり国際サッカー連盟(FIFA)に提訴すると公式発表。この法的措置にカリーレ監督本人が言及している。
カリーレ監督については、長崎が昨年12月4日に2024シーズンの契約更新を公式発表したにもかかわらず、サントスがおよそ2週間後の19日に同監督の招へいを発表。長崎が700万レアル(約2億円)とみられる違約金の支払いを求める中、サントスは日本時間13日未明にクラブ公式X(旧ツイッター)にて「サントスはカリーレ監督と長崎の契約が今年1月1日に終了していたことを把握。長崎との交渉を正式に終了した」と声明を発表。
ブラジルメディア『グローボ』によると、長崎と指揮官の契約期間は税制上手続きの関係で11カ月間であるとのこと。2024シーズンの契約が2月からスタートするため、サントスは今月1日から31日はフリーであると認識したという。
このサントスの声明に対して、長崎は13日に「事実に反するのみならず、昨日の会議でのサントスの立場とも全く異なる主張。昨日の会議に関する回答がない中でこのようなリリースが発信されたことは極めて遺憾。クラブとしてしかるべき措置を取ることを検討してまいります」と反論。
19日夜には「サントスFCならびにファビオ カリーレ監督、レアンドロコーチ、デニスコーチおよびセザールコーチに関して、国際サッカー連盟(FIFA)に提訴することを決定いたしました」と、ファン・サポーターに報告。
「2023年12月20日(水)から現在に至るまで、サントスFCならびにカリーレ監督およびコーチらへ、再三正式な契約手続きを進めることを求めて、友好的な解決を目指しておりました。1月13日(土)に弊クラブからリリースをして以降も、サントスFCへ誠実な対応を求め、友好的な解決を呼びかけておりましたが、未だに明確な回答はなく、正式なレターが届いておりません。よって、これ以上協議を続けても、当事者間による解決は不可能と判断いたしました」と提訴に至るまでの過程を説明している。
するとカリーレ監督は、今月20日に行われたサンパウロ州選手権の開幕戦後の会見で、長崎から訴えられたことに言及。『グローボ』によると、指揮官は以下のようなコメントを残したという。
「心配はいらない。遠くから静観しているよ。会長、理事会、弁護士、代理人、みんなが私を落ち着かせてくれている。いつになるか分からないが、きっとみんながこの問題を解決してくれるよ」
長崎のFIFA提訴に対しても、毅然とした態度を取っているカリーレ監督。二重契約状態とみられる中、長崎とサントスによる法廷闘争は長期戦になる見込みだ。
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