2023FIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド大会が閉幕して約1ヶ月。未だその余韻が残る中、各国の子どもたちは女子サッカーに対してどんな想いを抱いているだろうか?どのスポーツでも世界的な大会の前後は一時的に注目度が増す。しかし、その人気も時間の経過と共に徐々に下降してしまうのも常である。
世界各国のサッカークラブでは、持続的に女子サッカーの人気を保つため様々な普及促進活動が行われている。そんな中、子ども向けのユニークな取り組みを発見。この記事では、子どもたちが大好きなキャラクターや玩具、女子サッカー選手とタッグを組んで展開されている日本とイングランドの取り組みを紹介しよう。
ディズニープリンセスが子どもたちを応援
日本では、2022年に日本サッカー協会(JFA)とウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社(以下ディズニー)がタッグを組み、女子サッカー応援プロジェクトとして「JFAマジカルフィールド Inspired by Disney」を発足。今夏は同プロジェクトのキックオフイベントとして、小学1~3年生のサッカー初心者および未経験者を対象とした「JFAファミリーサッカーフェスティバル」を全国で開催中だ。
子どもたちにとって生まれて初めてのサッカー体験は、本人だけでなくその家族も多少の不安があるだろう。このフェスティバルではそうした不安を解消するため、まずは親子で参加する「ファーストタッチ」「ファーストタッチ・プレミアム」からスタートし、慣れてきた頃に子どもだけで参加できる体験練習型の「セカンドタッチ」(小学生以下のサッカー初心者、未経験者対象)に進むことができるよう、2段階での取り組みが用意されている。
このプロジェクト最大のポイントは、サッカー会場でディズニーの世界観にどっぷり浸れる点だ。例えば「ファーストタッチ・プレミアム」の開催会場では、美女と野獣のヒロイン『ベル』や、リトル・マーメイドの『アリエル』など総勢12人のプリンセスが参加する子どもたちを迎えてくれる。ピッチに出る時にはプリンセスが描かれた専用ユニフォームを着用し、胸にはプリンセスデザインのネームステッカーを貼って参加。子どもたちにとっては、ディズニーの世界に入り込んでサッカーをしている様な感覚だろう。
さらに、もうひとつのポイントは、このプロジェクトのキャプテンが元サッカー日本女子代表の澤穂希氏ということだ。「ファーストタッチ・プレミアム」では、世界中を沸かせた元代表選手たちが開催地の練習場を不定期で訪れ、子どもたちと一緒にサッカーを楽しむ場面も見られる。9月9日に千葉県の高円宮記念JFA夢フィールドで開催されたイベントには、同月1日に現役引退を発表したばかりの岩渕真奈氏も初参加した。
「たった一歩で、世界が広がる」をコンセプトにしたこの試みは、参加する子どもたちはもとより指導する側の元選手達にとっても得られるものが多く、まさに新たな世界への第一歩となるだろう。
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