Jリーグ アビスパ福岡

クラブ史最高J1で3位!アビスパ福岡の好調理由とサポーターが夢見る未来

写真:Getty Images

4月9日。明治安田生命J1リーグの第7節で、京都サンガと対戦し逆転勝利を挙げたアビスパ福岡(2-1)は、現時点勝ち点14となり、サンフレッチェ広島と並んで3位タイに浮上した。1996年にJリーグへ参戦した福岡にとって、J1での3位は28年目にしてクラブ史上最高の順位となる。

2023シーズン、全34試合中7試合のみを終えた段階ではあるものの、開幕前には福岡の降格予想をする有識者がいたことを考えると、序盤戦でのリーグ最大のサプライズと言えるだろう。

ここでは、そんな福岡の好調の理由やここまでの課程、意外な課題、未来について、長年のサポーター目線からご紹介しよう。


アビスパ福岡 サポーター 写真:Getty Images

これまでの福岡の最高成績

これまでの福岡の最高順位は、J1に2ステージ制が導入されていた2000年の、2ndシーズン途中で記録した4位だった。当時のJ1リーグは、鹿島アントラーズとジュビロ磐田の2強と言われた時代。前年に14位だった福岡は、アルゼンチン人のネストール・オマール・ピッコリ監督(2000-2001)に率いられ、とにかく勇敢だった。

過酷な練習で鍛え抜いて得られた闘争心を前面に押し出し、時にはヒールと言われながらも強豪と渡り合った福岡。なかでも2ndステージでは2強とたて続けに対戦するも一切怯むことなく、第9節には敵地で鹿島と引き分け(1-1)、第10節で磐田に勝利(2-1)し、上位争いに食い込む。この出来事は今もなお、当時からのサポーターの語り草となっている。


アビスパ福岡 長谷部茂利監督 写真:Getty Images

4年目の長谷部監督の手腕

23年ぶりにその歴史を塗り替え、2023シーズンJ1第7節で最高順位の3位を記録した福岡。さまざまな要因が積み重なって得られた結果だが、なかでも継続路線を貫くクラブの姿勢、そして2020シーズンからチームを率いる長谷部茂利監督の手腕は見逃せない。

想定した成績を残せないと、シーズン中であっても容赦なくクラブを追われるのがサッカーの監督だ。同じクラブで長年監督を務めるのは容易ではない。実際に今2023シーズンも、J2の清水エスパルスが監督交代に踏み切った(4月3日に秋葉忠宏監督就任)。そのシビアな環境で、長谷部監督は4年目を迎え、サポーターからの支持は高まるばかりだ。


アビスパ福岡 長谷部茂利監督 写真:Getty Images

危機を立て直し高まる信頼感

一流の監督の条件とは何だろうか。優勝に導ける監督か、はたまた多種多様な戦術を持つ監督か。筆者は「一度悪くなった状況を立て直せる監督」だと考える。

就任後、チームの順位を上昇させられる監督は少なくないが、数年指揮を執っていると大抵どこかで流れが悪い時期が訪れる。その流れを断ち切れずに解任や辞任となる監督は実に多く、一度崩れたチームを立て直せる監督は一握り。クラブもそう考えるからこそ、多くのケースで監督交代を選択する。

福岡も、2022シーズンに流れの悪い時期を経た。チーム内に新型コロナウイルスが蔓延し、第22節から第29節まで8試合未勝利(2分6敗)。J1参入プレーオフ出場圏となる16位まで順位を落とし、J1残留に向けて黄色信号が灯った。しかし、クラブの継続路線はブレることなく、チームは最後の5試合を3勝1分1敗で駆け抜けて残留に成功。この立て直しにより、長谷部監督とチームへのサポーターからの信頼感はさらに高まることとなった。

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名前椎葉 洋平
趣味:サッカー観戦、読書、音楽鑑賞
好きなチーム:アビスパ福岡、Jリーグ全般、日本のサッカークラブ全般

福岡の地から日本サッカー界を少しでも盛り上げられるよう、真摯に精一杯頑張ります。

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