Jリーグ 名古屋グランパス

名古屋に3.5億円支払い判決も…コリンチャンスがジョー後釜に8億円投資か

ジョー 写真:Getty Images

 明治安田生命J1リーグの名古屋グランパスは、元ブラジル代表FWジョー(35)の契約違反を巡る問題で、ブラジル1部コリンチャンスから賠償金を受け取ることが確定している。しかし、コリンチャンスは賠償金を上回る額での新戦力獲得に動いているようだ。26日、ブラジルメディア『グローボ』が伝えている。

 コリンチャンスは2020年4月、当時名古屋グランパスと契約を残していたジョーと契約を締結。名古屋グランパスが契約不履行を理由に訴訟を起こすと、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は名古屋グランパスに対して賠償金260万ドル(約3億5000万円)を支払うようジョーとコリンチャンスに命じている。

 また、ジョーは2年以上にわたりコリンチャンスでプレー。しかし、今年に入ってトーニングの無断欠席を繰り返すと、今月9日に双方合意のもと契約解除。同選手は2023年12月までコリンチャンスとの契約を残していたものの、18か月分の給料をはじめ総額1430万レアル(約3億8500万円)の受け取りを諦めたと、ブラジルメディア『UOL』が報じていた。

 そのコリンチャンスはジョーの後釜候補として、鹿島アントラーズ所属のブラジル人FWエヴェラウド(30)ら複数選手をリストアップしていると伝えられていた。

 しかし『グローボ』など複数メディアの報道によると、コリンチャンスはゼニト・サンクトペテルブルク所属のブラジル人FWユーリ・アウベルト(21)の獲得にむけて交渉を進めている模様。クラブ会長が交渉入りを認めているほか、1年レンタル、総額3000万レアル(約7億7000万円)での獲得を目指しているという。

 アウベルトは今年1月にSCインテルナシオナルからゼニト・サンクトペテルブルクへ完全移籍。ロシアのウクライナ侵攻以降もロシア国内でプレーしていた。ただ、国際サッカー連盟(FIFA)は今月21日、ロシア国内でプレーする外国籍選手が一方的に所属クラブとの契約を停止できる措置を来年6月まで延長。そのため、アウベルトにはブラジル国内の複数クラブからの関心が伝えられている。

 また、アウベルト本人はロシアでのシーズンを終えてブラジルに帰国。代理人はブラジルメディア『Revista Colorada』のインタビューで「ユーリがロシアに戻るか分からない。そのことについてはまだ彼と話していない」とコメントを残していた。

 なお、コリンチャンスはCASでの判決が出てから45日以内に賠償金の支払いが完了しない場合、FIFAから補強禁止処分を科される可能性がある。名古屋グランパスに対して3億円以上の支払いに迫られる中、7億円以上をつぎこんで新戦力の獲得に動いているようだ。