サッカーのリーグ戦において優勝争いこそ最大の魅力であるが、その真逆の場所でも非常に見応えある戦いが繰り広げられている。毎シーズン繰り広げられる「降格圏争い」にも注視してこそサッカーの理解はより深まるだろう。
全体的に競技レベルが向上し毎節戦いにくくなっている欧州リーグ。5月に終了となる2021/22シーズンも、スリリングな大逆転に成功したクラブが存在した。そんな「降格ゾーンから奇跡的に抜け出した欧州クラブ」をご紹介したい。
ヘタフェ(スペイン)
スペイン、ラ・リーガに所属するヘタフェは、2021/22シーズン降格圏からの奇跡の脱出に成功したクラブの1つといえよう。
ヘタフェの一時代を築いたホセ・ボルダラス監督の後任として、今2021/22シーズンからミチェル監督を招へいし仕切り直しを図ったが、開幕から泥沼7連敗を喫し最悪のスタートを切ってしまった。8試合目でようやく勝ち点1を得たものの、その試合を最後にミチェル監督がチームを指揮することはなかった(2021年10月4日解任)。何よりボルダラス監督の構築したサッカーとは方向性が異なり、浸透に時間がかかったことが痛恨だった。
残留のミッションを課せられたヘタフェは、ラ・リーガはもちろんワトフォード(イングランド)やアル・アハリ(エジプト)での経験を持つキケ・サンチェス・フローレス監督をチームに迎え再起を目指す。同監督の就任後徐々に調子を上げ、勝ち点を取りこぼさないスタイルに変貌を遂げた。
第19節のレアル・マドリード戦(1月2日)で勝利を収め、遂には降格圏(18〜20位)からの脱出に成功。この試合で決勝点を上げたFWエネス・ウナルを中心に、いかにゴールに迫れるかを追求した結果がその後の降格ゾーン回避につながったといえるだろう。チームナンバーワンのゴール数を誇るウナルは、名実ともにクラブの危機を救った選手となった。
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