

【2010年代】変革期に献身的にプレーする実力派
2012年に神戸に加入した田代有三は、鹿島の3連覇にも貢献した実力者だ。加入初年度にチームはJ2降格を喫し、田代も怪我などで当初の期待通りの働きは見せられなかった。しかし、ポストプレーに長け、泥臭いプレーをこなす勝者のメンタリティーの持ち主として、その後のチームに良い影響を与えた。
2015年から加入した渡邉千真は、当初は不器用なFWだと思われながらも、2016年にはサイドMFとしてレアンドロとペドロ・ジュニオールの超強力2トップを支えた。攻守に渡って活躍しながら自身も12ゴールを挙げ、レアンドロは得点王となる19ゴール、ぺドロ・ジュニオールも10ゴール。3人の2桁得点者を生み出し、チームは第2ステージで2位(総合7位)へ大躍進。主将を務めた渡邉の献身が光ったシーズンだった。
現在も神戸に在籍する田中順也は、スーパーサブではもったいない実力者だ。キープ力があって中盤でもプレーできる田中が現在も控えていることは選手層の厚さを物語る。そして同選手が出場機会を求めて移籍しないことは、クラブのステータスが向上した証明でもある。一方で、ハーフナー・マイクはクラブの規模やチームとしてのプレースタイルの移行期にあって犠牲になった感もあった。

【2020年代現在】バルサ化を掲げる「Jの銀河系軍団」に
2017年の夏にやって来た元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ、2018年の夏に加わったMFイニエスタに加えて、2019年には元スペイン代表FWダビド・ビジャまで加わり、3人の世界王者が揃った「VISSEL KOBE」は、世界レベルのブランドに変貌を遂げた。まだまだ完全に実現するに至っていないが、プレースタイルも「バルセロナ化」を掲げてポジショナルなパスサッカーに転換した。
イニエスタと同時期に神戸に加入した古橋は、イニエスタからの世界最高級のパスを受け、ポドルスキの強靭なメンタリティを身につけ、ビジャのシュート技術や動き出しを盗んで代表に定着。大卒でJ2のFC岐阜に加入したキャリア初期からは考えられないほどの成長を遂げ、J1でゴールを量産し遅咲きながら海外移籍まで掴んだ。
こうして歴史を振り返ると、日本サッカー界の生き字引であるキングカズや、J1歴代通算最多得点の大久保に永島まで在籍した神戸にとっては、大迫と武藤のダブル加入ですら“半端なくない”のかもしれない。
「バルセロナ化」を掲げながら、銀河系時代(2000年代前半)のレアル・マドリードのようなド派手な大型補強を続けるヴィッセル神戸の動向には常に注目である。
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