女子サッカー

女子WEリーグは、アニメで『スラムダンク』とBリーグの成功を追える?

『スラムダンク』(左)『さよなら私のクラマー』(右)

2021年9月、日本の女子サッカー界が生まれ変わる。日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」がスタートする。

WEリーグは、それに合わせて女子サッカー漫画『さよなら私のクラマー』(出版:講談社、原作:新川直司)のアニメ化をサポート。4月から『TOKYO MX』や『BS日テレ』などで、高校時代が描かれたテレビ版の放送が開始され、6月11日からは、中学時代にスポットを充てた映画『さよなら私のクラマー ファーストタッチ』が公開されている。

サッカー漫画といえば『キャプテン翼』(出版:集英社、原作:高橋陽一)が、日本国内だけでなくフットボール史上最高の選手と評されるアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(バルセロナ)、元イタリア代表FWフランチェスコ・トッティ、元フランス代表MFジヌディーヌ・ジダンといったOBにまで、古今東西問わずに影響を与えているのは皆さんも御存知だろう。それだけに『さよなら私のクラマー』には期待がかかる。

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Bリーグ

『スラムダンク』が導いたBリーグの成功と日本バスケの競技力向上

ところで「スポーツ漫画、アニメの定番は?」と問われると、現在30代の筆者は決まって『スラムダンク』(出版:集英社、原作:井上雄彦)を挙げる。これは日本の高校バスケットボールを取り上げた大人気作にしてバイブル的作品で、すでに作品発表が終了して25年が経過している。にも関わらず、今年1月に原作者の井上氏が自身のTwitterアカウントにて映画化する予定を発表して大きな話題を集めるほど、未だにその人気は根強い。

この『スラムダンク』は、コロナ禍の中でもしっかりとした人気と実力で毎年グレードアップを感じさせる日本のプロバスケットボールリーグ「Bリーグ」にも大きな影響を与えているはずだ。

井上氏は、自身が高校バスケをプレーし、その頃に漫画家を志したという。プレーする面白さと観る楽しさの両方を信じていたからこそ、当時『週刊少年ジャンプ』(集英社)の編集部から「バスケ漫画はヒットしない」と何度も言われながら、連載を通した。それが、八村塁と渡邊雄太の2人が同時に世界最高峰のバスケットボールリーグ「NBA」でプレーする、という夢にも思わなかった現在の日本バスケの競技力向上と人気を支え続けている。

『スラムダンク』がテレビアニメで放送されている頃(1993〜1996年)、バスケブームは凄まじかった。全国どこの中学校も高校もそれ以前のバスケ部は3学年合わせて20人いれば多いくらいの規模だったものが、50人を越える規模のバスケ部が急増する社会現象にまで発展していた。

その影響は現在30代のサッカー選手や関係者にも色濃く出ており、『キャプテン翼』は読んだ事も観たこともないのに『スラムダンク』のファンである人も多いのだ。

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