ボリーニはチーム内で、チームメイトにはできないことをしようと試みた。サイドバックに負傷者が相次いだ時には、運動量を活かして右サイドを司った。今夏で言えば、広大なスペースをカバーできるMFがいないチームの中で、自身がその役割を担っている。MFとして優れているわけではないが、広大な範囲をカバーしつつ、少ないタッチでボールを味方に預ける。彼は努力して自分ができることを増やしたわけではない。していることはFWの時と大差ないのだ。これにより、ボリーニは今夏での放出候補から外れたと言っていいだろう。最善の立ち回りをすることで、チーム内の生存競争を勝ち抜いたのだ。
これは社会でも言えることだろう。大学内で多くの生徒が同じような努力を行い、同じような方法で就職先を決めていく。ただ、彼らが行った努力と同じことを周りもしているため、その努力にはなんの優位性もない。
サッカー界に近いところで例えるなら、サッカー関係の仕事をメインにしているモデルやタレントなども、ボリーニに近い生存戦略を取っていると言えるだろう。
彼女たちは、おそらく芸能界のトップやモデル界のトップでは通用しないだろう。容姿改善のための最大限の努力をしたとしても、トップモデルやテレビで活躍するモデルには敵わない。しかし、元からあるサッカーへの情熱や、後から付けたサッカーへの知識を武器にすることで、芸能界という世界を生き残っている。
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