大分トリニータ 北海道コンサドーレ札幌

大分トリニータ、“格上”札幌に勝利も片野坂知宏監督は 「私自身反省しないといけない」

大分トリニータを率いる片野坂知宏監督 写真提供:GettyImages

 大分トリニータは6日、アウェイ札幌の地で明治安田生命J1リーグ第6節・北海道コンサドーレ札幌戦に臨み、2-1と勝利を飾っている。

 好調の横浜F・マリノスを撃破し前節終了時点で勝ち点9を積み重ねるなど、今シーズンのJ1リーグにおいて“台風の目”の存在になりつつあるトリニータは前半開始早々の2分、自身初となるJ1の舞台でゴールを量産しているFW藤本憲明がネットを揺らす。

 そしてコンサドーレが徐々にポゼッションを図りはじめて迎えた26分には、自陣から右サイドの裏のスペースに走っていたMF松本怜にボールが渡る。同選手が得意とするカウンターの形からボックス内に走りこんできた藤本にグラウンダー性のクロスを入れると、これがDF宮澤裕樹にあたりオウンゴールで追加点を奪取。

 後半は自陣でスペースを与えないことを優先したのか、ホームチームにポゼッションを許し、押し込まれる時間帯が続いたものの、コンサドーレの反撃を1点に抑え、見事今季リーグ戦4勝目を飾っている。

 試合後、疲れを見せつつやり切った表情で会見場に姿を現した片野坂知宏監督は「北海道という我々にとっては一番遠いところにトリニータのファン、サポーターが大勢来てくれて我々に力を貸してくれた。まずは勝ち点3をプレゼントできて本当に良かったと思っている」とサポーターへの感謝を冒頭述べる。

 そして同監督は「予想通り簡単なものではなく、厳しい試合になったという感想を持っている。前半は開始早々にうまく得点をとり、狙いを合わせてできていた部分があった」

 「ただ前半を2点差で終えて(後半に)3点目を狙うのか、2点を守りにいくのか、その判断で少し弱気になって構えてしまい過ぎて、札幌さんに(ボールを)持たれる時間、そして危険なエリアに侵入される時間が増えてしまった」

 「なんとか1点で抑えたが、もしかしたら勝ち点1に終わっていたゲームになっていたのかもしれないし、私自身も反省しないといけないと感じている。迫力のある攻撃、非常にクオリティのあり、決定力やスピードのある選手が揃っている相手に対して守り切るのは難しいだろうと感じる中で、選手は身体を張って粘り強くやってくれたところは評価する」と試合を総括した。

 また2点リードで迎えたハーフタイムに片野坂監督自身が選手たちに対して出した指示については「慌てずに構えてブロックを作ろうということを選手に話した。守備の意識を強く持ちすぎて(後半に)入ったかなと思うし、ハーフタイムでの僕の指示が良くなかったと思う」

 「やはり前半と同じように、守備面では前からボールを奪いに行くといううところでチャレンジしないといけなかった。あれだけボールを回されて自由にやられすぎたので、(後半は)少し難しい展開になってしまった」と自身がハーフタイムに出した指示について反省している。

 しかし、トリニータはこの試合で勝利したことにより勝ち点を12まで伸ばすとともに、開幕当初に短期的目標として掲げていた「6試合で勝ち点8」という目標を大幅に上回った。

 この結果について片野坂監督は「素晴らしい成果だと思うし、おそらく誰もこの結果を予想していなかったのではないかと思う。我々は目の前の試合に対して良い準備をして、良いメンバーを選考し、選手がしっかりと準備してくれている成果が出た」

 「これに満足することなく継続して今後も戦っていかないといけない。今後の試合でも厳しい相手が待っているし、その試合に向けても同じように選手のコンディションを見ながらベストなゲームができるように、そして勝ち点を獲得できるような戦いをやっていきたい」と語っている。

 そして今後の戦い方やチーム全体の方向性における修正点について「我々は今後、J1を戦う中で守り切って勝つよりも攻めてチャレンジしたいと試合後に感じた。常に我々にとっては他のチームが格上になる中で今後はチャレンジしていきたい」

 「来週の連戦を全員で乗り切って良い成果をあげることができるようにするために、1つ1つ準備していきたい」と語り、10日に控えるYBCルヴァンカップ・グループステージ第3節・ヴィッセル神戸戦、そして14日に行われるJ1リーグ第7節・ベガルタ仙台戦に向けて気を引き締めている。