セリエA ミラン

カリアリ戦で見えてきた、CL出場権を狙うミランの課題

今夏からミランの経営権を握ったエリオット・マネジメント。中期的な経営方針として、ミランの売却を念頭に置いている同ファンドはミランの価値を高めるために日々奔走していることだろう。その一環として重要になるのがチャンピオンズリーグ出場権の確保。クラブの価値を高めるだけではなく、収入という面でも多くのマネーをクラブにもたらす。今回はそんな、ミランの日本時間17日に行われたカリアリ戦で見えてきた課題をご紹介する。


中盤の駒不足

カリアリ戦のミランは66分にジャコモ・ボナベントゥーラに変えてティエムエ・バカヨコを投入した。セリエAでインテリオールに挑戦するバカヨコのスタートラインとも言える起用だろう。しかし、アンカーのポジションを本職にしてきた同選手はボールを保持した際の判断やプレーに不安を残した。サム・カスティジェホやディエゴ・ラクサールもインサイドハーフをこなせないことはないが、彼らの特徴を活かしきることはできないだろう。ボナベントゥーラがカリアリ戦のように、ゴンサロ・イグアインとの距離感が悪い時に状況を改善できるMFの確保が必要だと感じる。まことしやかに噂されるアーロン・ラムジーの獲得も1つの方法だろう。また、ルーカス・ビリアの代役不在という問題もある。カリアリ戦でもわかるように、アンカーのポジションの重要度は本当に高い。ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督はアンドレア・ベルトラッチやホセ・マウリの存在を強調しているが、彼らにその役が務まるかは疑問だ。


ラスト30mの攻略

カリアリ戦中盤以降のミランは、引いたカリアリに対してスソからのクロス一辺倒の攻撃を見せた。これがゴールに繋がればいいがスソのクロスは精度を欠き、イグアインもイライラを爆発させていた。ゴールまでの最後の30mでもっとアイデアが欲しい。カリアリ戦はスソやハカン・チャルハノール、ボナベントゥーラのイグアインとの距離感がイマイチだった。あの位置まで持ち上がることができれば、イグアインが大幅にサイドに流れたりする必要はあまりなくなってくる。ガットゥーゾ監督は新たなアイデア、もしくは新たな連携の構築に動くべきだろう。


ハイプレスへの対策

ミランはカリアリの高い位置からのプレッシャーに情けない姿を見せた。ビルドアップは困難になりロストを連発。試合開始の約20分間は押し込まれ続け、失点も喫した。ミランは過去数シーズンをみてもハイプレスをあまり得意としていない。現在に近いメンバーで戦った昨シーズンのヨーロッパリーグ、アーセナル戦でもそれは顕著に表れた。しかし、これを解決しないとあらゆるチームにハイプレスを仕掛けられてしまう。位置関係や意図を再確認して、ビルドアップ能力を向上させていく必要があるだろう。


スソ、チャルハノール依存からの脱却

ビンツェンツォ・モンテッラ政権時にチームの核を担っていたスソと、現在攻撃の中心にいるチャルハノール。彼ら2人の出来が、ミランの結果に直結するといっても過言ではない状況だ。カリアリ戦のスソとチャルハノールはイグアインとの距離感が悪く、決定的なチャンスを作れていない。チャルハノールに関しては、存在感が非常に薄かった。ただ、カリアリ戦のミランは追い込まれた中で、自身で解決策を見出そうとした。1つはフランク・ケシエのポジショニングから生まれるサイドバックの攻撃参加。リカルド・ロドリゲスはドリブルから何度かチャンスを作り、苛立っていたイグアインもカラブリアからのクロスには拍手で応えた。もう一つはラクサール、カスティジェホといったある程度のスピードと個人で仕掛ける能力を持った選手たち。カリアリ戦でもガットゥーゾ監督は状況を打開するためにそのカードを切ったが、チーム全体が彼ら2人を中心に試合を進めることに抵抗を感じているようなプレーだった。彼ら2人がチームメイトから完全な信頼を置かれるようになれば、また違った結果を見ることができるかもしれない。


戦術的な準備

カリアリ戦でのミランは、中盤の攻勢で数的不利となり開始から20分頃まで完全に主導権を握られた。しかし、これは試合前に予想できたことではないだろうか。カリアリはアタランタ戦でもほぼ同じ布陣の4-3-1-2を採用。アタランタにも中盤で数的に勝っていた。ミランが4-3-3で挑むのであれば、フィリップ・ブラダリッチがフリーになるのは容易に想像できたはずだ。もちろんすべてを予期して試合に進むのは難しい。ただ、可能性をすこしでも考慮していく作業は重要になるはずだ。