ブンデスリーガ 海外日本人選手

下位クラブからブンデスリーガ1部に再挑戦する日本人選手3人、今季の展望

著者:マリオ・カワタ

 武藤嘉紀がマインツを去りプレミアリーグ挑戦の道を選んだことで、現時点でブンデスリーガ1部に所属する日本人選手は7人となった。リーグ開幕が約2週間後に近づく中、今回は下位チームに所属する日本人選手3人の今季を展望してみよう。

 まず今季日本人ファンから最も注目を集めそうなクラブの一つが、原口元気と浅野拓磨の2人が所属するハノーファーだ。

 昇格組だった昨季、チームは限られた戦力をうまく活用して残留争いを回避し、期待を上回る13位の成績を残した。クラブOBで44歳のアンドレ・ブライテンライター監督は昨年春の就任以来、その確かな戦術眼と選手の長所を引き出すマネージメント能力で高い評価を得ている。

 今夏は昨季9得点を挙げた元オーストリア代表FWマーティン・ハルニック(ブレーメン)、セネガル代表DFサリフ・サネ(シャルケ)、MFフェリックス・クラウス(ボルフスブルク)といった選手たちを失ったが、戦力が大幅に低下したわけではない。

 センターバックにはストーク・シティからのレンタルでオーストリア代表DFケビン・ビマーを補充し、中盤にはブラジル代表歴もあるMFワラシ、前線には日系アメリカ人FWボビー・ウッドとバランスよく補強を行っている。

 そして同様に大きな期待を背負うのが、ヘルタ・ベルリンから完全移籍した原口とアーセナルからのレンタルとなる浅野の2人だ。

 昨年契約延長交渉のこじれからヘルタで出番を失い、シーズン後半にブンデスリーガ2部のデュッセルドルフで改めて実力を証明した原口にとっては、満を持しての1部再挑戦となる。ヘルタではサイドの労働者としてその運動量と献身性の高さで評価されていたが、10番を背負うハノーファーではより得点に絡むプレーが期待されている。

Previous
ページ 1 / 3