ラ・リーガ マルセイユ

Dr.TRIBE【試合診断書】EL決勝 オリンピック・マルセイユ対アトレティコ・マドリード

大会:ヨーロッパリーグ
カード:オリンピック・マルセイユ対アトレティコ・マドリード
スコア:0-3
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チーム監督
・主審

マルセイユMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):対象者なし

マルセイユTHW(ザ・ハード・ワーカー):ブナ・サール

攻守にわたって存在感を見せた。フロリアン・トバンへのサポートをしっかり行い、自身もドリブルで爪痕を残すと守備ではサイドでの対応も悪くなく、中に絞ってのディフェンスも冴えていた。

マルセイユMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):アンドレ=フランク・ザンボ・アンギサ

序盤からリーチの長さと読みの良さでボールを何度も回収。中盤を制圧していたが、スティーブ・マンダンダからのパスの処理を誤り失点の原因に。以降も要所で良いプレーを見せていただけに痛いミスとなった。

アトレティコMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):アントワーヌ・グリーズマン

この試合の主役の座に座ったのはこの男だった。最も重要な先制点と2点目を決め、攻守に渡ってピッチのいたるところに顔を出した。大舞台での強さを存分に発揮し、アトレティコにタイトルをもたらした。

アトレティコTHW(ザ・ハード・ワーカー):ガビ

キャプテンはこの重要な試合で完璧なパフォーマンスを見せた。先制点を素早い出足からアシストし、試合を決定づける3点目を自ら記録した。

アトレティコMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):対象者なし

マルセイユ監督:リュディ・ガルシア

落ち着かない序盤となったが、高いテンションを維持して試合の入りは主導権を握れた。最終ラインでもボックス付近でも、良い形でボールを動かしアトレティコにプレスの狙いを定めさせなかった。しかし、想定外の形での失点と、ディミトリ・ペイェの離脱からペースを落とし、アトレティコに主導権を握り返される。ルーカス・オカンポスにはジョルダン・アマビなど、もう少しサポートに行かせるべきだっただろう。孤立していたオカンポスへの対処は、同選手をベンチに下げるという決断。クリントン・エンジを投入し、アマビを高い位置に上げようとするものの、リュカ・エルナンデスなどにうまく立ち回られ不発。細かいパスでプレスを剥がしにかかるも、1テンポでも遅れるとプレスの餌食に遭うためモルガン・サンソンのところでロストする場面が目立つ。終盤はアトレティコにボールを持たされる展開が続き、試合終了まで時間を使わされてしまった。

アトレティコ監督:ディエゴ・シメオネ(ヘルマン・ブルゴス)

この試合でもベンチ入り出来なかったシメオネ監督に代わり指揮を執ったブルゴスコーチ。序盤こそあたふたする場面があったが、ペイェが負傷交代してからは完全に試合を支配した。1点目と2点目が生まれたのは、彼ら全員が同じ意識の下で守備を行っていることが如実に表れたシーンであり、結果としてそれが違いを作った。通常よりもセントラルミッドフィールダーの2人が、FWの2枚と連動して高い位置までプレッシングに出るシーンが多く、そこからボール奪取してチャンスを迎えるシーンもいくつかあった。守備はもはや言及する必要がないほど、シメオネ・アトレティコらしい中央の強固さと、最後の場面で身体を張れる集中力の高さを、前後半を通じて披露した。チャンピオンズリーグでの失態をカバーして余りあるような素晴らしい決勝戦を世界中に見せつけた。

主審:ビヨルン・カイペルス

随所に怪しい判定はあったが、ベテランらしくサポーター、選手ともにテンションの高い試合を荒れさせることなく裁ききった。70分のシーンはルイス・グスタボ・ディアスのハンドを取るべきだっただろう。故意ではなかったとしても、腕でゴールに向かっていたシュートコースを変えていた。