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迫るセリエAの大転換点。新たな放映権契約で戦国時代突入なるか

 

 2018/19シーズンはセリエAの転換点になるかもしれない。UEFAチャンピオンズリーグの出場権を4つ獲得するだけでなく、新たな放映権契約の利益を中堅クラブが受けられるようになるのだ。

 スペインのマルチメディア企業「メディアプロ」が今後3年間のセリエAの放映権への入札をリーグ側が認めた時、予期せぬ進展が起こった。数週間にわたり入札は噂されていたのだが、実際に入札された金額は「スカイ・イタリア」や「メディアセット」のそれよりもずっと高いものだったために、すぐにリーグがそれを呑み満場一致でクラブからも支持を得た。

 執筆時点で取引はまだ完了していない(事前に独占禁止法に違反していないか調べられなければいけない)のだが、これは古くからの付き合いのメディアに対する忠誠心からの、大きな転換のシグナルだと言えよう。2003年以来セリエAのテレビ放映権を掌握してきた「スカイ・イタリア」と「メディアセット」による複占に風穴を開けた可能性がある。

 カタルーニャに本拠地を置く会社はリーグ側が最小入札額として設定した1シーズンあたり約10.5億ユーロ(約1380億円)を支払っており、その金額は「スカイ・イタリア」と「メディアセット」の合計入札額よりも約2.2億ユーロ(約290億円)多い。

 財政難を抱えている「メディアセット」は現行の契約より約2億ユーロ(約260億円)高くすることを拒んだ。一方で、放映権に興味を示す会社は他にないだろうと考えた「スカイ・イタリア」は約6.3億ユーロ(約838億円)という極めて控えめな入札しかしなかった。

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