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迫るセリエAの大転換点。新たな放映権契約で戦国時代突入なるか

メディアプロのジャウメ・ロウレスCEO 写真提供:Getty Images

 ニュースが流出したとき、振られた恋人と同じようにメディアプロの申し出を受け入れないようにリーグに懇願し、「許容できない」とみなした。「スカイ・イタリア」が恐れていることは、独占権を手に入れたことで「メディアプロ」が試合を放送するためだけにセリエA専門チャンネルを作ることにある。しかし、メランギ法の一部によって放映権を独占することは禁止されているのだ。

 一度「メディアプロ」が新たに獲得した放映権をプロデューサーとしてではなく仲介人として扱うと宣言すれば、「スカイ・イタリア」は著しく態度を変え交渉の席につく用意はあると表明した。

「メディアプロ」の参入はセリエAに新たなアイディアをもたらしてくれる存在として、リーグの転換点を演出することになるだろう。実際いくつかの規定が取引の中には含まれていた。まず初めに、芝生の長さは同じでなくてはならず、緑色の密度も統一しなければいけない。次に、広告看板の色はきちんと決められなければいけない。そして最後に、おそらくもっとも重要な規定だが、ハードカメラに映るスタジアムのセクションは満員でなければいけない。もし違反した場合、該当クラブは罰を受けることになるだろう。これはすでにリーガ・エスパニョーラで実施されている。

 試合のプレゼンテーションはセリエAのテレビ中継において長きにわたり改善されずにいる問題だ。上記の条件を取引に含めたことで、「メディアプロ」はこの問題についても明確に認識していることを示した。彼らは「宿題」を終えた。「近年のセリエAでは利益が減少していると考えています。私たちはその流れを止めるためにここにいるのです」と「メディアプロ」の創設者のひとりであるタクソ・ベネト氏は語った。

 サッカーに関する金融情報を掲載しているウェブサイト「カルチョ・エ・フィナンツァ」が、新たな放映権契約がどのような形をとるのか説明している。それは、まだ決定していない国内の放映権料とすでに決定している国外の放映権料(同じ3年間のスパンで11億ユーロ[約1450億円]の契約)を合わせたものになる。そしてこの契約により最大の利益を得るのが中堅クラブであることが分かった。

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