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視覚障害者の人々をスタジアムへ。UEFAの新たなサービス導入が間近

 スタジアムでの感動を全ての人に届けることは可能だろうか。UEFAがスタジアムへ出向いた視覚障害者の人々に向けての新たなサービス導入を計画中だ。14日、イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が報じている。

 自身のクラブを応援するためにスタジアムへ出向くということは、全てのサッカーファンたちにとって大きな意味をもつ。選手たちの熱い戦いをほぼ直に感じ取ることや、他のサポーターたちとの一体感などそこでしか得ることのできない感動があるからだ。

 視覚障害のためスタジアムでのサッカー観戦が難しい、もしくはできない人々の為にUEFAは新たな形でスタジアムでの試合を楽しむ方法を提供しようとしている。このサービスはオーディオ・デスクリプティブ・コンメンタリー・ネットワークと名づけられた。

 このサービスを希望した人にはスタジアム入り口でイヤホンが渡され、スタンド席に案内され実況を聞くことができる。実はここまでは、もうすでにいくつかのスタジアムで存在するサービスだ。

 このサービスで新しいところは、実況がゲーム展開のみに限らないということだ。選手たちのボディー・ランゲージやちょっとした表情、さらにはユニフォームや横断幕など他の様々な”情報”が提供されることになる。

 できる限りの情報を提供することで、視覚障害者の人々にもスタジアムでの試合を楽しんでもらうのが目的だという。満足度の高いサービス提供のためにこれに使われる技術は最新のものであるとのことだ。

 なお、現在のところ導入予定の言語はイタリア語と英語、そしてフランス語を含む6つの欧州言語になる。スペイン語とドイツ語はこれらに含まれない。そしてもちろん非欧州言語の導入はもう少し先になるだろう。

 この計画より以前にトッテナムの本拠地ウェンブリー・スタジアムではすでにこのサービスに近いものを導入して6シーズン目だ。実際、UEFAのこの計画にもトッテナムからの援助があったという。

 この新しいサービス導入は間近とのことだ。さらに沢山の人々がスタジアムでの試合を楽しめることができるようにこのサービスの成功を祈りたい。