Jリーグ ジュビロ磐田

中村俊輔は39歳でもJリーグNo.1の一人であり続ける。“残酷な退団”が磐田、横浜FM、俊輔の全員にとって幸せの移籍となった理由

“残酷な退団”が幸せの移籍となった理由

著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『GloboEsporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。

 中村俊輔は6月24日に39歳になった。この年齢にもかかわらず、未だにJリーグ今シーズンのベストプレーヤーの中にいる。評判を得られていないジュビロ磐田が上位を狙うのを助け、その過程でたくさんのタイトル候補を負かしてきた。日本サッカー史におけるアイコン的存在でありながら、中村はフィールド上でその才能を披露し続けている。そして何週にも渡り、未だにハイレベルなプレーができることを証明している。横浜Fマリノスから磐田への物議を醸した中村の移籍は、結局のところ誰もにとってポジティブな結果となった。横浜FMにとってさえも良く、彼らはこのプレイメーカーへの依存を大騒ぎすることなく克服し、現在上位を争っている。

 背番号10の中村は、またも磐田にとって決定的な活躍をした。現在2位のセレッソ大阪との対戦、後半ロスタイムまで4分での同点ゴールを作り出した時である。まずエリア外からの中村の尽力が、C大阪のGKキム・ジンヒョンを難しいセーブに追い込み、ボールはコーナーにかわされた。C大阪の守備陣が近くにおらず、中村はショートコーナーを選択する。そしてMF川辺駿から素早く戻されたボールを受け、ペナルティーエリア脇からクロスを入れた。それをFW川又堅碁が相手DF山下達也との空中戦で制し、ヘディングシュート。試合最終結果を1-1とした。同試合中奮戦した川又にとっては、シーズン9度目のゴールとなった。

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