ラ・リーガ セリエA

黄金期をも超えたジダン・レアルの偉業。勝負をわけた“技術”と“精神”2つの差

勝負をわけた技術と精神の二つの差

 それでは、なぜマドリードはこんなにも圧倒的な力でユベントスを破ることができたのだろうか。

 まずはテクニカルな差が存在した。マドリードは信じられないほどのスピードでボールを回し、ディフェンスラインを中盤高く押し上げ、中盤とアタックエリアでたくさんのトライアングルを形成した。とりわけ中盤とサイドバックのパス技術の高さが、ユベントスの守備陣の間に入り込むスペースを作り、マドリードの中盤に多くのチャンスをもたらしている。

 先制点と3点目のシーンはクロースとルカ・モドリッチのパスから生み出され、先制点と4点目のアシストはDFダニエル・カルバハルとDFマルセロの両ウイングバックによるものだった。

 ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督が試みたカバーリングはうまくいかず、そしてDFアンドレア・バルツァッリに替えてMFフアン・クアドラードを投入した交代策は敗北の原因の一つとなった。この交代策が失敗となった原因は2つあり、一つはバルツァッリの体力という問題だ。彼は現在36歳で、決勝というインテンシティの高い舞台でフル出場することはできなかった。そして、もう一つは交代によってDFダニエウ・アウベスが攻撃面でチームに貢献することができなくなったことだ。彼もパウロ・ディバラも中盤で思うように動くことはできなかった。

 しかし、ユベントスの敗北はタクティカルな側面だけが原因ではない。

 ユベントスは素晴らしい前半を過ごしたものの、後半には打って変わって体力的にも精神的にも自滅することとなった。つまり、決定的になったもう一つの理由はプレッシャーという精神的な側面にある。

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