
これまで日本代表DF板倉滉をはじめ数々の日本人選手を獲得し、現在はDF高井幸大とFW町野修斗を擁しているボルシアMG。2026年2月には鹿島アントラーズとクラブアライアンスを締結したが、同クラブ幹部が日本人選手を獲得する可能性に言及。高井に期限付き移籍期間満了でトッテナム復帰の可能性があるが、次の「日本人選手」を巡る動きが表面化しつつある。
ドイツ『RP(ラインポスト)』が報じたボルシアMG幹部のコメントは、単なるリップサービスではない。幹部は「日本は引き続き注視すべき市場だ。現地に常駐スカウトはいないが、ユース年代で活動し、U16やU17の選手を見始めている」と明言した。常駐スカウト不在という現実を自ら認めながらも、育成年代への投資を始めたという事実は重い。「日本は育成の面で多くのことを正しく行っている」という評価は、即戦力補強を超えた長期的な人材獲得戦略の布石とみて間違いないだろう。
ただし、手放しで喜べる話でもない。
同クラブ幹部はこう釘を刺している。「外部から有望株を獲得するのであれば、我々の既存の選手よりも明確に優れていなければならない。そうでなければ、自前の若手を育成すべきだ。それが論理的だ」。この発言の裏に透けて見えるのは、日本人選手への期待ではなく、あくまでもクラブの「基準」を最優先とする新戦力獲得哲学だ。好意的な視線と、容赦ない選別基準。この二面性こそが、ボルシアMGというクラブの本質である。
鹿島とのクラブアライアンス締結も、この文脈で読み直すと意味合いが変わってくる。幹部は過去に「日本にはロジャー・シュミットのような友人が多くいる。ヴィッセル神戸監督のミヒャエル・スキッベなど、ドイツ人指導者もいる」と語り、すでにドイツと縁のあるJリーグ関係者に接触している可能性をほのめかしていた。ネットワークは着実に張られている。アライアンスがスカウティングインフラの代替手段として機能している可能性は高い。
一方で高井の去就は依然として不透明だ。トッテナムからの期限付き移籍という形でブンデスリーガの舞台に立った21歳は、負傷離脱の期間こそあるが、すでに即戦力としてボルシアMG内で評価されている。『RP』が2月に伝えたところによると、クラブ幹部は買い取りオプションの設定額が高額であるだけに、期限付き移籍期間の延長を検討。しかし、トッテナムに認められない可能性があるという。
ボルシアMGが日本市場を「戦略的なパイプライン」として位置づけていることは、もはや疑いようがない。鹿島とのアライアンス、ドイツ人指導者ネットワークの活用、そしてU16・U17世代への調査開始。北海道で育成組織を設置する見込みであるだけに、同クラブによる日本人有望株の囲い込みは加速するはずだ。
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