
イングランドのFA女子スーパーリーグ、アーセナル・ウィメンに所属するFWプレイヤー岩渕真奈(いわぶち・まな)。昨2021/22シーズンをリーグ2位で終え、2022/23シーズンも3連勝で好スタートを切ったアーセナル・ウィメンだが、3月に4-2で勝利したバーミンガム・シティ・レディース戦では、岩渕が抜群のアシストプレーを華麗に披露して注目を浴びた。
なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)のFWとしても2010年から現在まで数多くの闘いを経験している岩渕は、今後世界でも大注目のプレイヤーだ。この記事では、初めての方にも岩渕の魅力をお届けできるよう、腕まくりをして解説していく。最後までお付き合い願えたら幸いだ。

華々しい経歴のスタート
1993年生まれの現在29歳、東京都武蔵野市出身の岩渕。サッカーに興味を持ち始めたのは、なんと幼稚園時代。その頃からボールとの触れ合いがスタートする。小学校2年生になると、同じくサッカー選手である兄の岩渕良太(藤枝MYFC)が所属していたサッカークラブ(関前SC)に参加。当時クラブ初の女子選手となった。
2005年の中学校進学のタイミングで、日テレ・東京ヴェルディベレーザ(WEリーグ)の下部組織であある日テレ・東京ヴェルディメニーナに入団し、まもなくの2007年にベレーザに2種登録。同年、なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)初出場を果たして、翌年リーグ新人賞を受賞するなど鮮烈なスタートを切った。
日本代表としても、2008年にはU-17女子ワールドカップのメンバーに選出され、アジア年間最優秀女子ユース選手賞を見事受賞。他国の監督からもプレーの質の高さを大絶賛される。2011年のFIFA女子W杯ドイツ大会にはチーム最年少(18歳)で出場し初優勝に貢献するなどし、その後も数々の大会に引っ張りだこ状態が続いた。

海外でも続く「挑戦」
2012年11月に、岩渕は初の海外移籍を決意。ドイツの女子サッカー・ブンデスリーガのホッフェンハイム(当時2部)と契約を結び、30出場10得点の結果で同クラブを1部へと導くことができた。
2014年5月には、同リーグのバイエルン・ミュンヘンへ移籍。しかしながら、年毎とも言えるほど多くの怪我に見舞われてしまい、出場機会を逃してしまう状況に。その悪循環に対して岩渕は正面から向き合い、先を考えると一度日本に帰国を決意するべきと決断し、2017年3月にやむなく帰国している。
日本にて怪我の治療に専念したのち、同年9月にINAC神戸レオネッサのメンバーとしてピッチに登場!見事、復活を遂げた。
そして2020年世界中がコロナ騒動の最中、再び一大決心をした岩渕は、12月にイングランドのFA女子スーパーリーグ、アストン・ビラ・ウィメンと契約し、人生で2度目の海外移籍に挑戦をする。ドイツ時代に経験したサッカーのプレースタイルとの大きな違いに圧倒されつつも、監督や周囲のメンバーとの関係構築や、言語の壁を少しずつ乗り越えていく。
その結果「アストン・ビラにはマナがいなくてはならない」という声も上がるほど、周囲からの期待を感じられるようになっていった。13試合出場2得点の成果をあげ、2021年5月に現在のアーセナル・ウィメンと契約を結ぶことになる。
小学校2年生から現在までの怒涛の数十年間を、休む暇もなくサッカーと共に歩んできた岩渕。決してスムーズとは言えない状況にも果敢に立ち向かい、着実に歩んできている姿勢は、彼女の後輩たちを含め周囲の人々に非常に魅力的に映るだろう。この「挑戦し続ける強さ」こそが、岩渕の最大の魅力と言える。
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