Jリーグ ガンバ大阪

G大阪・安部柊斗のゴール取消は正解or間違い?VARが5つの反則を精査した理由とは

安部柊斗 写真:アフロスポーツ

 J1百年構想リーグのガンバ大阪対セレッソ大阪が11日、パナソニックスタジアム吹田で開催。MF安部柊斗(G大阪)のゴール取り消し、5分程度のVAR(ビデオアシスタントレフェリー)判定が話題を呼んでいるが、海外の専門メディア『Jリーグインサイダー』が即座にレビューを公開し、「判定は適切だった」と明言した。スタジアムを揺るがした「幻のゴール」をめぐる論争に、ひとつの論拠が叩きつけられた格好だ。

 問題のシーンは後半20分過ぎ。1点を追うG大阪がペナルティーエリア内でPKを獲得。FWデニス・ヒュメットのシュートは、GK中村航輔(C大阪)に弾かれた。だが、そのこぼれ球がゴール前の混戦に転じ、最後は安部が押し込んでネットを揺らしたが、VAR判定の末にゴールは取り消しになった。

 『Jリーグインサイダー』はこの「異例の長さ」について、「5つの異なる可能性のある反則を、複数の角度から精査する必要があったため」と明確に説明する。ひとつの判定に5つの論点。それを聞いただけで、審判団がいかに困難な状況に置かれていたかが伝わるはずだ。

 同メディアが整理した5つのポイントは以下の通りである。

 まず「①中村がボールをコントロールしていたか」。安部が詰めた場面でGKとの接触があったが、『Jリーグインサイダー』の見解も、そしてVARの結論も「コントロールはしておらずファウルではない」というものだった。G大阪にとっては唯一の「救い」となり得た論点だが、ここで覆ることはなかった。

 つづいて「②安部のオフサイドの有無」。ゴール時点での位置関係をラインで精査した結果、安部は最終ラインの一つ前の守備者より前に位置しており、オフサイドと判定。これが結論を左右した最大の争点だ。

 「③山下諒也のタッチか、田中駿汰のタッチか」という点も見逃せない。もしC大阪の田中が最後に触れていたなら、オフサイドのラインは無効となりゴールが認められる可能性があった。むしろここが「幻のゴール」を生き返らせる唯一の糸口だったが、VARは「山下のタッチ」と判断した。

 「④得点者が安部か、ヒュメットか」。決定的な映像が存在せず、角度によって見え方が変わる。判別困難——そう認めつつも、判定は進んだ。

 そして「⑤安部のプレー関与」。仮にヒュメットが得点者であったとしても、安部は明らかにプレーに絡んでいる。C大阪の守備ラインはすでに崩れていたとはいえ、安部自身がゴールを祝っていた事実が「関与の証拠」として機能した。

 『Jリーグインサイダー』の結論は冷静かつ断定的だ。「これら5つの要素を精査した結果、判定に時間がかかったのは理解できるものであり、VARの対応は適切だった。ガンバ大阪のゴールは取り消されるべきであり、実際にその通りの判定が下された」。

 同メディアが5つの論点を全て整理した上でこの結論に至っているという点は、単なる「擁護論」とは一線を画す。論理の筋道は通っている。両クラブのサポーターは、この論理をどう捉えるのだろうか。