Jリーグ

J開幕3連続アウェイ戦を強いられた雪国クラブの戦績比較。公平性を読み解く

サガン鳥栖 写真:Getty Images

南国クラブの2025シーズン第3節までの戦績

一方、開幕3戦中2戦をホームで戦えることが“保証”されている「南国クラブ」の成績を以下に示す。

J2:V・ファーレン長崎
第1節:ロアッソ熊本(PEACE STADIUM Connected by SoftBank)2-0○、第2節:レノファ山口(維新みらいふスタジアム)2-2△、第3節:ジュビロ磐田(PEACE STADIUM Connected by SoftBank)1-0○

J2:大分トリニータ
第1節:北海道コンサドーレ札幌(クラサスドーム大分)3-2○、第2節:いわきFC(クラサスドーム大分)0-0△、第3節:ベガルタ仙台(キューアンドエースタジアムみやぎ)0-2●

J2:サガン鳥栖
第1節:ベガルタ仙台(駅前不動産スタジアム)0-1●、第2節:ジュビロ磐田(ヤマハスタジアム)0-1●、第3節:FC今治(駅前不動産スタジアム)1-4●

J2:ロアッソ熊本
第1節:V・ファーレン長崎(PEACE STADIUM Connected by SoftBank)0-1●、第2節:北海道コンサドーレ札幌(えがお健康スタジアム)3-0○、第3節:RB大宮アルディージャ(えがお健康スタジアム)0-4●

J2:愛媛FC
第1節:カターレ富山(ニンジニアスタジアム)0-1●、第2節:ブラウブリッツ秋田(ニンジニアスタジアム)1-2●、第3節:水戸ホーリーホック(ケーズデンキスタジアム水戸)1-1△

J2:FC今治
第1節:ブラウブリッツ秋田(アシックス里山スタジアム)0-1●、第2節:藤枝MYFC(アシックス里山スタジアム)0-0△、第3節:サガン鳥栖(駅前不動産スタジアム)4-1○

J3:高知ユナイテッド
第1節:栃木SC(カンセキスタジアムとちぎ)0-1●、第2節:ガイナーレ鳥取(春野総合運動公園陸上競技場)0-0△、第3節:FC大阪(春野総合運動公園陸上競技場)1-2●

J3:テゲバジャーロ宮崎
第1節:長野パルセイロ(いちご宮崎新富サッカー場)0-1●、第2節:福島ユナイテッド(いちご宮崎新富サッカー場)3-1○、第3節:栃木SC(栃木県グリーンスタジアム)2-1○

J3:鹿児島ユナイテッド
第1節:SC相模原(白波スタジアム)カマタマーレ讃岐2-3●、第2節:ツエーゲン金沢(白波スタジアム)1-2●、第3節:栃木SC(相模原ギオンスタジアム)2-0●

J3:FC琉球
第1節:ザスパ群馬(正田醤油スタジアム群馬)0-0△、第2節:FC大阪(タピック県総ひやごんスタジアム)0-1●、第3節:福島ユナイテッド(タピック県総ひやごんスタジアム)0-1●

もちろん実力的な要因も大きいが、3戦無敗で乗り切っているJ2のV・ファーレン長崎と、開幕戦を落としたものの立て直して2連勝したJ3テゲバジャーロ宮崎以外は、日程的な“アドバンテージ”を生かし切れているとは言えない。降格組のJ2サガン鳥栖に至っては、開幕3連敗だ。

この歪な日程によって、逆に夏場のアウェイ連戦が待ち受けていることを考えれば、序盤で貯金を作っておきたいところだが、そう簡単には行かないようだ。雪国クラブに配慮したこの日程が、南国クラブにとっても悪影響を及ぼす可能性もある。

いずれにせよ、このままの状態で秋春制に突入すれば、不公平な日程となることは明らかだ。少しでも雪国クラブの負担を減らすにはどうすればいいのか。


国立競技場 写真:Getty Images

「THE国立DAY」を雪国クラブのために適用しては?

Jリーグは、昨2024シーズンから「THE国立DAY」と称し、J1、J2合わせて13試合を国立競技場開催にしている。今2025シーズンも10試合が国立で開催される。この試みを、雪国クラブのために適用することはできないだろうか。

「THE国立DAY」はもっぱらFC東京、東京ヴェルディ、町田ゼルビア、横浜F・マリノス、鹿島アントラーズ、さらにJ2のジェフユナイテッド市原・千葉といった関東のクラブのホームゲームとして開催される。しかし、ヴィッセル神戸や、昨2024シーズンはJ2だった清水エスパルスといった地方クラブがホームゲームを開催した例もある。

雪国クラブの立場に立てば、ホームゲームを中立地で開催されることへの抵抗は当然あるだろう。さらにJ2、J3でどれだけ集客できるのかという問題もある。しかしながら、普段は首都圏では見られない対戦を国立開催にすることで、新規ファンの開拓に繋がる可能性もあり、東京に暮らす雪国出身者にとって、応援するクラブを直接目にできるチャンスとも考えることもできよう。

さらにキャンプ地が首都圏であれば、選手が束の間のオフに帰宅することも可能となり、わずかではあるがストレスを減らすこともできるのではないだろうか。

人間がどれだけあがいても、自然現象に抗うことは不可能だ。そして秋春制導入以降、最大の敵となることも必定だろう。雪国クラブのホームスタジアムや練習場でのヒーティングシステムの設置が財政的に現実的でないならば、アイデアで乗り切るしかない。完全に「公平」な日程を組むことは不可能かもしれないが、「不公平感」をわずかでも減らすことはできるはずだ。

その中で、雪国クラブのホームゲームとして「THE国立DAY」を開催することは、アイデアの1つとして考え得ることができるのではないだろうか。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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