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中国戦前日の主将発表から見えた不安材料とは?日本代表OB「パリ五輪厳しい」

藤田譲瑠チマ 写真:Getty Images

 U23日本代表率いる大岩剛監督は、AFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選グループステージ初戦(対U23中国代表)の前日に、MF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデンVV:STVV)のキャプテン就任を発表。異例とも言える大会開幕直前での主将発表であるだけに、日本代表OBからチーム作りの遅さを指摘されているほか、「パリ五輪での金メダル獲得は厳しい」と早くも否定的な声も挙がっている。

 昨年11月の国際親善試合でU22アルゼンチン代表を下すなど、欧州組のクオリティーの高さが目立っている大岩ジャパン。ただ、U23アジア杯が国際Aマッチデー期間外の開催であるため、MF鈴木唯人(ブレンビーIF)、FW福田師王(ボルシアMG)、MF三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)など、アルゼンチン戦で活躍した選手も相次いで不参加となった。

 また、先月開催の国際親善2試合(対マリ、ウクライナ)では26名が招集されていたものの、U23アジア杯では23名に絞られている。さらに五輪本大会では、出場登録人数が「18」に。ここに五輪予選で不参加の欧州組が加わるほか、オーバーエイジ(OA)枠も存在するだけに、メンバー構成が大きく変わる可能性は高い。

 大岩監督の主将発表を前に、アトランタ五輪の日本代表メンバーである城彰二氏は、日本サッカー協会(JFA)や大岩監督によるU23日本代表のチーム作りに疑問を抱いていた。

 同氏は今月13日に自身のYouTubeチャンネル『JOチャンネル』を更新。「OA枠の話も出てないし、まだチームとして何も決まっていない中での予選。もっと早い段階からチームを結束させて、少しだけメンバーを入れ替えるようなチーム作りをしないと、金メダルを獲るのは厳しい」と苦言を呈したほか、「(パリ五輪予選の代表チームには)技術の高い選手が多いけど、ここから勝ち上がる、A代表へ食い込むというのが見えてこない」とメンバーレベルにも疑問の目を向けている。

 なお、大岩監督は副主将にDF西尾隆矢(セレッソ大阪)、DF内野貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)、MF山本理仁(STVV)、MF松木玖生(FC東京)の4名を選出している。公にする前から主将・副主将が内定していた可能性も考えられるが、欧州組の不参加がパリ五輪本大会を見据えたチーム作りに影響を与えていることは確かだ。