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リトアニアで新たな挑戦。MF鈴木惇、独占インタビュー【後編】

FKスードゥヴァ MF鈴木惇(当時アビスパ福岡)写真:Getty Images

2023年2月。Jリーグで通算464試合に出場したベテラン選手が海を渡った。アビスパ福岡(2008-2012、2015-2020)をはじめ、東京ヴェルディ(2013-2014)、大分トリニータ(2017)、藤枝MYFC(2021-2022)でもプレーしていたMF鈴木惇だ。

リトアニア1部のFKスードゥヴァに新天地を求めた鈴木は、なぜ、藤枝からの契約延長オファーを断って海外挑戦を選んだのか。移籍の経緯や日本サッカーとの違い、海外生活、在籍したクラブでの思い出などについて独占インタビューを行った。

前編では、リトアニア移籍が決まるまで、リトアニアのサッカーについての興味深い詳細を。この後編では、リトアニアでの日常生活や、日本での経験、これまでに在籍した4クラブについて伺った話を紹介する。

関連記事:リトアニアで新たな挑戦。MF鈴木惇、独占インタビュー【前編】


インタビュー中の鈴木惇 写真:Football Tribe

リトアニアの日常生活は

ーリトアニアの母国語はリトアニア語ですが、英語も通じる場面が多いようですね。日常生活において不便はありますか?

鈴木:ほとんどないですね。リトアニアの若い人たち、特に20代以下は、ほぼみんな英語を話せますし、チームでのミーティングやトレーニングは基本的に英語を使っているので、特に困ることはないです。

たまに「英語は全然わかんないのよ」みたいなおばあちゃんがやっているローカルな喫茶店もありますけど、まあ、今はGoogle翻訳とか便利なものがあるので、それほど困りませんね。

ーリトアニアで生活したいという方は、英語を話せれば大丈夫ですね。

鈴木:そうですね。英語を話せれば大丈夫だと思います。なんとか話そうとすれば、相手も理解しようとしてくれるので、完璧じゃなくても伝えようとすることが大事だなと、こっちに来てから思いました。

ー食べ物や文化がかなり違うと思いますが、気に入ったことや驚いたことはありますか?

鈴木:好き嫌いはないので、特に問題なくやれています。パスタとかピザとか美味しいですよ。こっちの郷土料理にもチャレンジしたんですが、美味しかったです。

あと、良さげなパブを見つけたんですけど、まだ行けてないです。住んでいるところが小さな街なので「負けた試合の後に行かない方がいい」とチームメイトに言われています。「サッカー選手だ」とすぐ気付かれるらしいので(笑)ホームゲームで勝てたら、ビールなんかを軽く飲みに行ってみたいなと思っています。

ー日本を離れて恋しいものはありますか?

鈴木:こっちには日本食がないので、納豆やキムチは絶対に手に入りません。なので、帰ったら食べたいですね。でも、とりあえず、なくても過ごせています。


FKスードゥヴァ MF鈴木惇(当時アビスパ福岡)写真:Getty Images

Jリーグで出場機会を得てきた理由

ー鈴木選手は、Jリーグで所属した全てのクラブで出場機会を得ていました。何か意識していることはありますか?

鈴木:多分、他の人と変わらないと思います。一生懸命やるしかない。僕は、好きなことや自分がやりたいことだけをやって試合に出られるようなレベルではないので。もちろん、監督がどういうプレーを求めているか、逆にどういうことをやって欲しくないのか、というのは自分なりに考えるようにしています。

ただ、試合に出られるかどうか、自分ではどうしようもない部分も多いですからね。最終的に決めるのは監督なので。監督の目に映る姿は、自分次第でいくらでも変えることができますけど、監督が頭の中でどう考えているのかは、選手にはどうしようもない部分です。スタメンの決め方も色々あると思うんですよ。ベストイレブンを決めるように、GKから順番に決めていく訳でもないでしょうし。

おそらく、まずは軸となる選手を決めるんでしょうね。11人の中で、1番最初に置かれる選手がいれば、最終的に迷って迷って11人目に入る選手もいると思うんです。でも、それを意識しすぎると、自分のプレーができなくなってしまう。自分ができることに集中した結果、いろんな要素が重なって出られていたのかなと思っています。

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名前椎葉 洋平
趣味:サッカー観戦、読書、音楽鑑賞
好きなチーム:アビスパ福岡、Jリーグ全般、日本のサッカークラブ全般

福岡の地から日本サッカー界を少しでも盛り上げられるよう、真摯に精一杯頑張ります。

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