
明治安田生命J2リーグの2023シーズンは、2月18日に開幕を迎える。昨2022シーズン3位で終えたファジアーノ岡山から20位ザスパクサツ群馬までの18クラブに、J1から降格となった清水エスパルスとジュビロ磐田の2クラブ、J3から昇格のいわきFCと藤枝MYFCの2クラブを加え、全22クラブ全42節の長丁場を戦う。
昨シーズンのJ2リーグは、前年J1から4クラブが降格するという異例のレギュレーションもあり、激しい順位争いが発生。特にプレーオフ枠(3位~6位)の争いは大混戦となった。来る2023シーズンはレギュレーションが変更に。従来通りの1位、2位クラブのJ1自動昇格に加え、3位から6位のチームで争うプレーオフ優勝クラブが、入れ替え戦なしでのJ1昇格となる。つまり確実に3クラブに昇格のチャンスがあり、楽しみなシーズンだ。
一方、昨シーズン終了後の移籍動向で戦力に不安を抱えるクラブも出ている。ここでは、2023シーズン開幕を目前に控え、移籍動向の結果戦力ダウンが心配な6クラブを選出(2023年2月1日時点)。うち6位から4位までの3チームから、ランキング形式で紹介していく。なお、順位が高いほど戦力がダウンしていると評価している。

6位:ジェフユナイテッド千葉
主なOUT選手
- DFチャン・ミンギュ(町田ゼルビア)
- MF秋山陽介(ベガルタ仙台)期限付きから復帰
- FW櫻川ソロモン(ファジアーノ岡山)期限付き
- FWチアゴ・デ・レオンソ(アル・ダフラ:UAE)
昨2022シーズンはJ2リーグ10位フィニッシュと、J1が遠いかつての名門クラブ、ジェフユナイテッド千葉。2023シーズンに向けては人数こそ多すぎず少なすぎない移籍状況となっているが、流出した選手の内容は深刻なものと言えるだろう。
守備陣で言えば、中央で役割を果たしたDFチャン・ミンギュが今冬積極的な補強に動いている町田ゼルビアへ移籍。中盤では左サイドを司ったMF秋山陽介が、所属元であるベガルタ仙台へ復帰となった。
また、最も影響が心配されるのが最前線だ。昨季はシーズン通して44ゴールと決して得点力が高くなかった千葉で、190cmの長身を誇りチーム2位の7ゴールを挙げたFW櫻川ソロモンが、期限付きではあるがファジアーノ岡山へ移籍。また、4ゴールを挙げたFWチアゴ・デ・レオンソも中東クラブへの移籍が決まっており、得点力不足はより悪化する可能性が高い。
ルーキー含めて新加入選手がいるものの、なにより6名ものFWが移籍したことから、攻撃の構築には改めて時間をかける必要が出てくるだろう。守備陣の中心選手と、期限付きも含めたFW選手の大量流出による攻撃力の低下を考慮して、戦力ダウンが心配なクラブ6位とした。

5位:レノファ山口
主なOUT選手
- DF渡部博文(引退)
- DF橋本健人(横浜FC)期限付き
- MF高井和馬(横浜FC)
- MF田中渉(モンテディオ山形)
- FW沼田駿也(町田ゼルビア)
2016年にJ2リーグへ上がって以降、降格もないが上位進出もなかなか見えないレノファ山口。頼りになるベテラン選手を軸に、ルーキーを含め積極的に若手も起用した2022シーズンだったが、その若手を今冬早くも手放すこととなっている。
DF陣では頼れるベテランのDF渡部博文が引退。今後も運営幹部としてのクラブ残留が決まっているが、フィールド上では見られない。さらに、ルーキーながら35試合と多くの出場機会を得て、チームトップの5アシストをマークしたDF橋本健人は、J1昇格を果たした横浜FC行き(期限付き)を決めた。
中盤では、夏に水戸ホーリーホックから山口に戻り、7ゴールを挙げてチームトップスコアラーになったMF高井和馬が、DF橋本と同様に横浜FC行きを決定。また、ボールの供給役として攻撃のタクトを奮ったMF田中渉も、期限付きの満了を機にモンテディオ山形へ移籍していった。
FWでも、DF橋本と同じくルーキーながら活躍し、7ゴールをマークしたFW沼田駿也が流出。攻守に渡って2022シーズンの柱となった選手を失っている。新加入では、MF小林成豪やFW皆川佑介など経験豊富な選手を補強したが、最終ライン、中盤、最前線における柱となる選手が相次いで流出したことから、戦力ダウンが心配なクラブ5位とした。
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