スペイン代表MF:7人
MFは計7人。中心はアンカーを務めるセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)。現チームの中で2010年のW杯制覇を知る唯一の男で、抜群のポジショニングとキープ力からのゲームメイク能力はピカイチ。34歳となった今もチームの心臓であり、スペインサッカーの表現者として欠かせない。さらに控えのロドリ(マンチェスター・シティ)も所属クラブでグアルディオラの指導を受け、アンカーとして世界屈指の能力を持つ。ブスケツが軸にはなるが、ユーロやネーションズ・リーグ同様、過密日程の中でロドリの出番は必ずあり、試合途中からセンターバックにポジションを移すパターンもある。
インサイドハーフは5人で、19歳のペドリ(バルセロナ)、18歳のガビ(バルセロナ)、27歳のマルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリード)、30歳のコケ(アトレティコ・マドリード)、25歳カルロス・ソレール(パリ・サンジェルマン)というメンバー。
様々な組み合わせが考えられるが、いずれも高い技術を有すると同時に豊富な運動量でハードワークできるのが特徴。ペドリ&1ガビのバルサのゴールデンボーイ賞コンビがファーストチョイスになるが、両者ともに途中出場でも能力を発揮して試合の流れを変えることができるため、前半戦をアトレティコ組で臨んで激しく相手を消耗させた上で、ペドリ&ガビを投入する戦法もある。ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)やチアゴ・アルカンタラ(リバプール)も選出したかったが、致し方ない。
スペイン代表FW:8人
そしてFW陣は8人が選ばれた。名前を読み上げられた順に、22歳のフェラン・トーレス(バルセロナ)、20歳のニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)、20歳のジェレミ・ピノ(ビジャレアル)、30歳のアルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)、26歳のマルコ・アセンシオ(レアル・マドリード)、30歳のパブロ・サラビア(パリSG)、24歳のダニ・オルモ(ライプツィヒ)、そして20歳の“至宝”アンス・ファティ(バルセロナ)という面々だ。
間違いなく高い総合力
その数の多さとともに純粋なセンターFWタイプがモラタのみというのが、今回のメンバー編成の特徴。アンス・ファティは中央も可能で、ダニ・オルモに加えてアセンシオを偽9番として起用するプランにも目処が立ったとは言え、それが本大会でどこまで機能するかは未知数。今季の国内リーグでスペイン人トップの8得点を挙げているボルハ・イグレアシス(ベティス)や6シーズン連続2ケタ得点と実績十分のイアゴ・アスパス(セルタ)の落選、ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)の故障からの復帰が間に合わなかったことを嘆くことになるかも知れない。
だが、総合力は間違いなく高い。これまでの戦いを踏襲するなら、モラタ、フェラン・トーレス、サラビアの3人のスタメンが濃厚だが、その他のメンバーが出ても戦力が落ちないのがチームの強みであり、前線の招集人数を考えても後半に一気に2枚交代、3枚交代での戦況打開が指揮官の頭にある。その中で、圧倒的なスピードで右サイドを切り裂くニコ・ウィリアムズ、そして4度の手術を経てメンバーに滑り込んだアンス・ファティが切り札になる。
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