Jリーグ

ホームグロウン制度は日本サッカーを強くするのか。Jリーグ6クラブが不遵守

鹿島アントラーズ DF関川郁万(ホームグロウン)写真:Getty Images

J3クラブには厳しい条件?

来2023シーズン以降のホームグロウン選手の登録義務は、J1リーグが4人以上、J2・J3リーグが2人以上となる。選手全員がプロ契約のクラブは、翌年の強化に影響が出るため早急に満たそうとするだろう。

だが少なくとも数年は、J3のいくつかのクラブにとっては形ばかりの制度となるのではないだろうか。J3にはそもそもプロ契約の選手が多くないクラブもあり、登録義務を満たせなくともさほど影響がないからだ。

また、例えば現在J3で首位に立つ福島ユナイテッドは、今年ユースができたばかり。その他のJ3のクラブもJ1などに比べるとユースの環境で大きく劣り、身近な期間での強化は難しい。

そういったクラブがすぐに登録義務を満たそうとするならば、現実的なのは高卒で獲得した選手が3年間在籍することだろう。とはいえ活躍すると上のカテゴリーに引き抜かれることが多く、それも簡単ではない。


ホームグロウン制度が将来もたらすもの

ホームグロウン制度の目的は「各クラブが自分たちで選手を育て、強化を図る」ことだ。

先に導入されたJ1の各クラブでは、ユースから昇格する選手が定期的に現れるなど、目に見える成果が出はじめたが、時間がかかることだろう。Jリーグはそれも見越して「2030フットボールビジョン」に向けてこの制度を導入している。

各クラブが強化を図る過程で、ユースや高卒の選手などを中心に、自クラブで育成することを重視させる。それは長期的にみて、クラブにだけでなくリーグ全体の、その国のサッカーをレベルを上げることに繋がるはずだ。

イングランドのプレミアリーグが同制度を2010/11シーズンに導入し、クラブの強化、さらに代表チームの強化にも成果が現れつつある好例となっている。

J1からJ3までの全クラブが余裕を持ってホームグロウン選手の登録義務を満たせるようになった時、日本サッカー界は1つレベルアップを果たせるのではないだろうか。

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名前椎葉 洋平
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